★30秒でわかる!この記事の内容
- 不動産鑑定士と宅建士は、いずれも不動産の専門家だけあって両資格の相性は抜群によく、ダブルライセンスによる学習面・実務上の相乗効果が高い
- 不動産鑑定士の資格を取得したら、宅建士の資格も取得してダブルライセンスを目指すのがおすすめ。宅建士とのダブルライセンスには5つのメリットがある。具体的には、学習面でのアドバンテージが1つ、実務上のメリットが4つ。
- 宅建試験の勉強で得た知識を不動産鑑定士試験の勉強に活かせる
- ダブルライセンスにより就職・転職が有利になる
- 鑑定評価に実務を反映することで説得力を与えられる
- 仕事の幅が広がる
- 顧客基盤・経営基盤が安定する
- 超難関の不動産鑑定士試験を突破したら、宅建試験はそこまで難しくないはず、得られるメリットが大きいだけに不動産鑑定士には是非とも宅建士取得に向けてチャレンジしてもらいたい資格
不動産鑑定士の資格を取得したら、せっかくなので同じ不動産関連資格である宅建士の資格を取得したいものです。
この記事では、不動産鑑定士が宅建士とのダブルライセンスを目指すべき5つの理由について、できるだけ詳しく解説いたします。
不動産鑑定士と宅建士はダブルライセンスによる相乗効果が高い
不動産鑑定士は、不動産の鑑定評価を行うための法律上の資格を有する国家資格者であり、主たる業務は不動産の経済価値を評価する鑑定評価です。
不動産関連資格の最高峰に位置づけられ、弁護士、公認会計士とならぶ三大国家資格のひとつとも言われています。
社会的信用力と希少性の高い不動産鑑定士は、不動産に関する高度かつ総合的な専門知識を有するプロフェッショナルとして業界の垣根を越えて多方面で活躍することが可能です。
一方、宅建士は宅地建物取引業法(宅建業法)に定める国家資格者で、不動産流通の専門家です。
法律上、以下の業務は宅建士にしかできない独占業務(専権業務)になっており、不動産の売買や賃貸の仲介を行う宅建業者において中心的役割を担っています。
- 重要事項の説明
- 重要事項説明書(35条書面)への記名・押印
- 契約書(37条書面)への記名・押印
不動産鑑定士と宅建士は、いずれも不動産の専門家だけあって両資格の相性は抜群に良いと言えます。
両方の資格は学習面・実務上の相乗効果が高く、ぜひダブルライセンスを取得したいところです。
不動産鑑定士が宅建士とのダブルライセンスを目指すべき理由
不動産鑑定士の資格を取得したら、せっかくなので同じく不動産の専門家である宅建士の資格取得をおすすめします。
おすすめする理由は次の5つ、具体的には、学習面でアドバンテージが1つ、実務上のメリットが4つあります。
- 宅建試験の勉強で得た知識を不動産鑑定士試験の勉強に活かせる
- 鑑定評価に実務を反映することで説得力を与えられる
- ダブルライセンスにより就職・転職が有利になる
- 仕事の幅が広がる
- 顧客基盤・経営基盤が安定する
理由1:不動産鑑定士試験の勉強で得た知識を宅建試験の勉強に活かせる
まず1つ目は、学習面でのアドバンテージ。
不動産鑑定士試験の勉強で得た知識は、宅建試験の試験範囲のかなりの部分を網羅しています。
不動産鑑定士試験 | 宅建試験 |
行政法規 | 宅建業法 |
行政法規 | 法令上の制限 |
行政法規・鑑定理論 | 税・その他 |
民法 | 権利関係 |
不動産鑑定士試験の試験科目である「行政法規」は、宅建試験の試験科目である「宅建業法」「法令上の制限」「税・その他」と範囲が重複しています。
試験形式についても、「行政法規」が五肢択一で、宅建試験が四肢択一と、選択肢が減る分、難易度に差があるものの同じような形式です。
特に「権利関係」の中心論点である「民法」は宅建試験のなかでは「鬼門」と言われるくらい難しい論点。不動産鑑定士試験で「民法」の学習をすることでかなり理解が進み、宅建試験の「民法」が難しく感じなくなるかもしれません。
難易度の高い不動産鑑定士試験の勉強をすることで、宅建試験の勉強が相当楽になるはずです。
不動産鑑定士で得た知識は宅建試験の勉強でそのまま活かせるというのは大きなメリットになります。
理由2:鑑定評価に実務を反映することで説得力を与えられる
ここから先は実務上のメリットです。
不動産鑑定士は、専門性が高いが故に、どちらかというと不動産評価専門の「先生」と見られる傾向があります。
一方、宅建士は不動産の「実務プレイヤー」として広く認識されています。
宅建士の資格を持っていると不動産実務もしっかりカバーした不動産鑑定士として高く評価され、その鑑定評価についても、机上だけで不動産を評価しているわけではなく不動産実務を反映したものとして説得力が与えられるはずです。
理由3:ダブルライセンスにより就職・転職が有利になる
不動産鑑定士の資格を持っていれば、それだけでも就職・転職が十分有利になりますが、宅建士の資格を持っていると就職や転職がより有利になります。
不動産評価の専門家である不動産鑑定士と不動産実務プレイヤーである宅建士の両方の資格を持っていることは、理論と実践のバランスのとれた不動産の専門家として高く評価されます。
不動産鑑定士が、宅建士の資格も持っていると、就職・転職に有利と言えます。
理由4:仕事の幅が広がる
不動産鑑定士が宅建士の資格を取得すれば、不動産鑑定士としての仕事がないときでも宅建士としての仕事があったり、逆に宅建士としての仕事がないときに不動産鑑定士としての仕事があったりと、仕事の幅が広がることになります。
宅建士は、賃貸仲介や管理等を通じて、賃貸マンション、賃貸アパート等を経営する地主さんや大家さんといった資産家と接する機会も多いはずです。
不動産を保有する資産家との接点は、鑑定評価やコンサルティングなど不動産鑑定士が得意とする仕事を得る機会も増やしてくれます。
理由5:顧客基盤・経営基盤が安定する
不動産鑑定士と宅建士は同じ不動産の専門家ですが、不動産鑑定士は一部の顧客層と深い関係を構築し、宅建士は幅広い顧客層を対象とするという特徴があります。
不動産の鑑定評価を依頼するのは、官公庁、一般事業会社、銀行、金融機関、投資家、資産家等が中心で、不動産鑑定士の顧客層は決して広いわけではありませんが、長期継続的な取引関係を構築できる点が魅力です。
一方、宅建士は、法人が事業用不動産を売買したり賃貸する場合や、個人が居住用不動産を売買したり賃貸したりする場合などで活躍しますので、法人から個人まで幅広い顧客層を対象とする点が魅力です。
不動産鑑定士としての顧客に宅建士としての顧客が加わり、顧客基盤が拡大する相乗効果も期待できるわけです。
幅広い顧客層と長期継続的な信頼関係を構築できれば経営基盤も安定します。
もうひとつ付け加えるとすれば、弁護士や公認会計士の場合は株式会社での事務所開設ができませんが、不動産鑑定士の場合は株式会社で不動産鑑定事務所を開業することが可能ですし、宅建士も株式会社として不動産会社を設立することが可能です。
株式会社で開業・設立できるということは事業の拡張性があるということです。
もしすでに不動産鑑定事務所として独立しているとしたら、宅建業者としても事業を拡大すれば、ゆくゆくは「総合不動産会社に成長・発展!」なんていうのももしかしたら夢ではないかもしれません。
不動産鑑定士試験突破直後に宅建試験のチャレンジがおすすめ
超難関の不動産鑑定士試験は並大抵の努力では突破できないはずです。
合格後は、おそらくは勉強するのは当分の間もうこりごりと感じることでしょう。
ですが、ここでもうひと頑張り。
「鉄は熱いうちに打て」と言いますから、不動産鑑定士試験の勉強によって得た知識を忘れないうちに、宅建試験にもチャレンジすればそこまで難しくないはずです。
これまでご説明したとおり得られるメリットが大きいだけに不動産鑑定士には是非とも取得に向けてチャレンジしてもらいたい資格です。
まとめ
以上が本記事でお伝えしたかった内容です。これまでお話ししてきたことをまとめると以下のとおり。
- 不動産鑑定士と宅建士は、いずれも不動産の専門家だけあって両資格の相性は抜群によく、ダブルライセンスによる学習面・実務上の相乗効果が高い
- 不動産鑑定士の資格を取得したら、宅建士の資格も取得してダブルライセンスを目指すのがおすすめ。宅建士とのダブルライセンスには5つのメリットがある。具体的には、学習面でのアドバンテージが1つ、実務上のメリットが4つ。
- 宅建試験の勉強で得た知識を不動産鑑定士試験の勉強に活かせる
- ダブルライセンスにより就職・転職が有利になる
- 鑑定評価に実務を反映することで説得力を与えられる
- 仕事の幅が広がる
- 顧客基盤・経営基盤が安定する
- 超難関の不動産鑑定士試験を突破したら、宅建試験はそこまで難しくないはず、得られるメリットが大きいだけに不動産鑑定士には是非とも宅建士取得に向けてチャレンジしてもらいたい資格
コメント