宅地建物取引士(宅建士)は、毎年20万人以上が受験する超人気の国家資格ですが、資格試験の内容はどのようなものなのでしょうか。
この記事ではこれまで解説してきた宅建試験の概要についてまとめてみました。
宅建試験とは
宅建試験は年1回、全国で実施され、誰でも受験することが可能です。
受験地は居住地の都道府県。
具体的には大学等が会場となることが多い試験です。
受験申込は7月(インターネットまたは郵送、受験手数料7,000円)。
試験日時は10月第3日曜日13時~15時の2時間。
合格発表は原則として12月の第1水曜日又は11月の最終水曜日です。
宅建試験のスケジュールを整理すると以下のとおり。
6月第1金曜日 | 実施告知 |
7月1日~15日 | 受験申込受付(インターネットの場合) (郵送の場合の受験申込受付は、7月1日~31日) |
8月頃 | 試験会場通知の送付 |
9月末頃 | 受験票の送付 |
10月第3日曜日 | 宅建士試験(宅建試験) |
12月第1水曜日または11月最終水曜日 | 合格発表 |
試験の目的は、宅地建物取引業に関する実用的な知識を有するかどうかを判定すること。50問の四肢択一式による筆記試験(マークシート方式)です。
宅建試験の難易度
宅建試験(宅建士試験)の受験者数は約20万人、合格率は15~17%で推移しています。
合格率10%以下となるような他の国家資格と比べると確率の面だけで言えば比較的高い水準と言えます。
年度 | 受験者数 | 合格者数 | 合格率 | 合格点 |
令和2年度 | 168,989人 | 29,728人 | 17.59% | 38点 |
令和元年度 | 220,797人 | 37,481人 | 17.00% | 35点 |
平成30年度 | 213,993人 | 33,360人 | 15.60% | 37点 |
平成29年度 | 209,354人 | 32,644人 | 15.60% | 35点 |
平成28年度 | 198,463人 | 30,589人 | 15.40% | 35点 |
平成27年度 | 194,926人 | 30,028人 | 15.40% | 31点 |
平成26年度 | 192,029人 | 33,670人 | 17.50% | 32点 |
平成25年度 | 186,304人 | 28,470人 | 15.30% | 33点 |
平成24年度 | 191,169人 | 32,000人 | 16.70% | 33点 |
平成23年度 | 188,572人 | 30,391人 | 16.10% | 36点 |
平成22年度 | 186,542人 | 28,311人 | 15.20% | 36点 |
宅建試験(宅建士試験)に合格するための必要勉強時間は個人差があるものの250~400時間。1,000時間を超えるような資格試験も多いなか、効率の面だけで言えば比較的短時間で合格可能です。
資格 | 必要勉強時間の目安 |
弁護士 | 6,000時間 |
公認会計士 | 3,000時間 |
不動産鑑定士 | 3,000時間 |
税理士 | 3,000時間 |
司法書士 | 3,000時間 |
社会保険労務士 | 1,000時間 |
中小企業診断士 | 1,000時間 |
土地家屋調査士 | 1,000時間 |
行政書士 | 600時間 |
マンション管理士 | 500~600時間 |
宅建士 | 250~400時間 |
FP2級 | 350時間 |
日商簿記2級 | 250時間 |
基本情報技術者試験 | 200時間 |
もちろんそれぞれの資格で試験方式などが異なりますので単純に比較することはできません。
ただ、効率の面だけで言えば、宅建試験(宅建士試験)は比較的短時間で合格可能な試験と考えられます。
宅建士は数ある資格のなかでもトップクラスの人気を誇る国家資格。難易度は高めだが超難関というわけでもない。案外、狙い目の資格かもしれません。
宅建試験の内容
宅建試験の目的は、宅地建物取引業に関する実用的な知識を有するかどうかを判定することです。
出題科目は大きく分けて次の4科目です。
- 宅建業法
- 権利関係(民法など)
- 法令上の制限
- 税・その他
各科目の出題数は以下のとおり。
試験科目 | 出題数 | 問題番号 |
宅建業法 | 20問 | 第26問~第45問 |
権利関係(民法など) | 14問 | 第1問~第14問 |
法令上の制限 | 8問 | 第15問~第22問 |
税・その他 | 8問 | 第23問~第25問 第46問~第50問 |
50問の四肢択一式による筆記試験、解答方式はマークシート方式。
宅建士の幅広い業務範囲を反映し、問われる知識も広範囲にわたります。
宅建試験の合格に必要な勉強時間
宅建試験合格のための必要勉強時間は250~400時間程度と言われています。
学力は勉強時間に比例しますので、勉強時間をしっかり確保することが合格のカギと言えます。
つまり、早めに勉強を開始すると合格する確率が高くなる傾向があるわけです。
ただし、試験本番に実力のピークを持っていくため勉強開始のタイミングを計ることも大切。
勉強時間確保の3つのモデルケースを考えてみました。
じっくりコツコツタイプの方は、1月から勉強を開始し、9ヶ月間の勉強期間を確保するコースがおすすめ。
平日は1時間、土日などの休日は1~2時間を勉強時間にあてて9ヶ月間勉強を継続すれば、250~400時間の勉強時間を確保可能です。
標準タイプの方は、4月から勉強を開始し、6ヶ月間の勉強期間を確保するコースがおすすめ。
平日は1時間、土日などの休日は2~4時間を勉強時間にあてて6ヶ月間勉強を継続すれば、250~400時間の勉強時間を確保可能です。
短期集中タイプの方は、7月から勉強を開始し、3ヶ月間の勉強期間を確保するコースがおすすめ。
平日は2時間、土日などの休日は4~8時間を勉強時間にあてて3ヶ月間勉強を継続すれば、250~400時間の勉強時間を確保可能です。
以上、これまでご紹介してきた宅建士の資格概要でした。
本記事が宅建士を目指す皆さまに少しでもお役に立つとうれしく思います。
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