30秒でわかる!この記事の内容
- 中小企業診断士になるためには、①中小企業診断士第1次試験と②第2次試験に合格し、③実務補習または実務従事を経て、④中小企業診断士として登録を受けることが要件。
- まずは①中小企業診断士第1試験と②第2次試験に合格することが先決。
- 試験に合格したら、②実務補習を受講するか、実務従事を行う必要がある。
- その後、③中小企業診断士の登録申請を行い、登録簿への登録と登録証の交付を受けたら、晴れて中小企業診断士に!
- ちなみに、②中小企業診断士第2次試験と③実務補習または実務修習の代わりに、④養成課程を受ける、という別ルートも
中小企業診断士になるためには、中小企業診断士試験に合格するだけでなく、実務修習または実務従事を経たり、中小企業診断士としての登録を受けたりと、いくつかの要件や手続きが必要になります。
ということで、この記事の主題は「中小企業診断士になるには」。中小企業診断士になるまでの流れをできるだけ詳しく解説させていただきます。
中小企業診断士になるには
中小企業診断士になるためには、もちろん中小企業診断士試験に合格する必要がありますが、実はそれだけで足りません。
試験合格後「実務補習」を受講するか、「実務従事」を行う必要があり、その後、中小企業診断士の登録申請を行い、登録簿への登録と登録証の交付を受ける必要があります。
試験合格から登録申請までの期間は3年以内である必要があります。
また、第2次試験の合格と実務補習または実務従事の代わりに、別ルートとして養成講座の受講というのもあります。
中小企業診断士になるための要件を整理すると以下のとおり。
- 中小企業診断士第1次試験に合格
- 中小企業診断士第2次試験に合格
- 実務補習の受講または実務従事
- 中小企業診断士として登録
- ②と③の代わりに、別ルートとして養成講座の受講
それぞれのステップについて、もう少し詳しく解説したいと思います。
中小企業診断士試験の合格
中小企業診断士になるためには、何はともあれ国家試験である中小企業診断士試験に合格することが先決です。
中小企業診断士試験は、第1次試験と第2次試験の2段階で実施されます。
中小企業診断士第1次試験
第1次試験は、毎年8月に実施されます。
試験科目は以下の7科目。
- 「企業経営理論」
- 「運営管理」
- 「財務・会計」
- 「経済学・経済政策」
- 「経営法務」
- 「経営情報システム」
- 「中小企業経営・政策」
試験形式は選択式のマークシート方式です。
中小企業診断士第2次試験
第1次試験に合格すると、次の第2次試験を受けることができます。
第2次試験には「筆記試験」と「口述試験」があり、「筆記試験」は毎年10月に、「口述試験」は毎年1月に実施されます。
「筆記試験」の試験科目は、中小企業の診断および助言に関する実務関して、以下の事例Ⅰ~事例Ⅳがあります。
- 事例Ⅰ:主に組織・人事を中心とした経営の戦略および管理に関する事例
- 事例Ⅱ:マーケティング・流通を中心とした経営の戦略および管理に関する事例
- 事例Ⅲ:生産・技術を中心とした経営の戦略および管理に関する事例
- 事例Ⅳ:財務・会計を中心とした経営の戦略および管理に関する事例
試験形式は記述式です。
「口述試験」がいよいよ資格試験の最後の関門です。
試験内容は筆記試験で出題された事例に関する質問に口頭で答える、という試験になります。
なお、第2次試験は、1次試験合格者のうち合格した年度を含む2年間に限り受験することが可能です。
難易度の高い資格だけに、試験合格のステップを通過することが何よりも重要であり、腰を据えてじっくりと勉強する必要があります。
時間も労力もかかりますので、合格がゴールのような気がしてしまいますが、「中小企業診断士になる」という意味では、中小企業診断士試験はゴールではなくあくまでも通過点に過ぎません。
実務補習の受講または実務従事
中小企業診断士第2次試験に合格したら、「実務補習」を受講するか「実務従事」を行う必要があります。
「実務補習」の受講日数が合計15日以上、または「実務従事」の日数が合計15日以上あることにより中小企業診断士としての登録の申請を行うことができるようになります
実務補習
実務補習は、実際の中小企業に対して経営コンサルティングを行い、実務経験を積むための実習です。
5名程度のグループを編成して、指導員の方の指導を受けながら実際に中小企業に対して経営診断・助言を行います。具体的には、現場診断・調査、資料分析、診断報告書の作成、報告会を行うことになります。
受講するためには受講手数料の支払いが必要になります。
実務補習は、15日コースと5日コースがあります。
登録申請の要件として受講日数が合計15日以上必要になりますので、15日コースであれば1回、5日コースであれば3回受ける必要があります。
実務従事
実務従事は、実際に中小企業に対して「経営の診断助言業務」や「経営に関する窓口相談業務」を行い、実施した機関の代表者から証明をしてもらう、というものです。
実務補習のような「実習」ではなく、「実務」になりますので、コンサルティング会社に勤務して実務を行っている方は、本業で「実務従事」の要件を満たすことができるわけです。
実務従事の日数の合計が15日以上であることが登録新生の要件になります。
なお、実務補習と実務従事の組み合わせもOKで実務補習5日コース×2+実務従事5日で15日以上というのもありです。
中小企業診断士として登録
いよいよ最後のステップ、中小企業診断士としての登録です。
中小企業診断士第2次試験に合格したら、3年以内に実務要件(実務補習または実務従事)を満たして登録の申請をすることが必要です。
2次試験合格から3年以内に登録まで済ませる必要があります。
登録申請は中小企業庁に必要書類を送付することにより行います。手続きが完了すると毛官報に経済産業省の告示がなされ、中小企業診断士登録証が送られてきます。
これで晴れて中小企業診断士になることができるわけです。
養成課程
これまでご説明した流れの中で、中小企業診断士第2次試験と実務補習または実務修習の代わりに、「養成課程」を受ける、という別ルートもあります。
養成課程は、中小企業大学校や大学院の民間教育機関等に通学して、中小企業診断士に必要な実践力を身につけるための演習・実習等を通じて実務能力の高い中小企業診断士を養成するものです。
養成課程には中小企業大学校が行う「中小企業診断士養成課程」と民間教育機関等が行う「中小企業診断士登録養成課程」があります。
養成課程は6ヶ月~2年と一定の期間を要し、また、それなりにコストもかかります。
通信講座などはなくすべて通学が必要ですが、夜間や土日等に開講していて働きながらでも通うことのできるものもあります。
まとめ
以上が本記事でお伝えしたかった内容です。これまでお話ししてきたことをまとめると以下のとおり。
- 中小企業診断士になるためには、①中小企業診断士第1次試験と②第2次試験に合格し、③実務補習または実務従事を経て、④中小企業診断士として登録を受けることが要件。
- まずは①中小企業診断士第1試験と②第2次試験に合格することが先決。
- 試験に合格したら、②実務補習を受講するか、実務従事を行う必要がある。
- その後、③中小企業診断士の登録申請を行い、登録簿への登録と登録証の交付を受けたら、晴れて中小企業診断士に!
- ちなみに、②中小企業診断士第2次試験と③実務補習または実務修習の代わりに、④養成課程を受ける、という別ルートも
この記事が皆さまのお役に立つと嬉しく思います。
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