勉強の効果を高める睡眠の仕組みと良質な睡眠をとる3つの方法

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勉強法
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★30秒でわかる!この記事の内容

  • 睡眠には、脳や体を休息させるという役割だけでなく、自律神経やホルモンバランスの調整、免疫力アップ、脳の老廃物の除去、脳のリセット、記憶の整理などの役割がある。
  • 脳を良い状態に保つためには睡眠が必要。勉強の効率を高めるために、できれば8時間程度、最低6時間以上の睡眠時間を確保したい。ただ、実際にはなかなか睡眠時間をとることができないのが現実。その場合は、質の高い睡眠をとることを意識しよう。
  • 良質な睡眠をとるために意識したいのは、①就寝時間と起床時間を固定すること、②覚醒時に睡眠に良い行動をとること、③寝る前に入眠の準備をすること、の3つ。

「寝るのも勉強のうち」

決して誇張ではなく、良質な睡眠は、勉強の効果を確実に高めてくれます。

この記事の主題は「睡眠」

勉強の効果を高める睡眠の仕組みについて解説するとともに、質の高い睡眠をとるための3つの方法をご紹介いたします!

睡眠の役割

「寝ている暇があったら、仕事したり勉強したり遊んだりしたい。」

忙しい毎日を過ごしていると、ついついそんなふうに思ってしまうもの。

私たちは、寝ている時間があたかも無駄な時間であるかのように考えてしまいがちです。

日本人は特にその傾向が強いようで、平均睡眠時間は世界的にみても最低レベル。日本は「睡眠不足大国」とさえ言われています。

一方、例えば米国の平均睡眠時間は世界トップクラス。

米国では、睡眠をしっかりとることが覚醒時間(起きてから寝るまでの時間)のパフォーマンスを高め、豊かな人生を送るために必要不可欠という考え方が浸透しているようです。

私たち日本人も「睡眠不足大国」の汚名に甘んじることなく、いまこそ睡眠の重要性をしっかりと理解し、睡眠時間確保のために努力する必要があるはずです。

とはいえ、一足飛びに睡眠不足を解消するまでもっていくのは少々高望みが過ぎるかもしれません。まずは睡眠の役割を理解するところから始めてみましょう。

睡眠には次の役割があります。

  1. 起きている間に働いた脳や体を休息させる
  2. 自律神経を調整する
  3. 成長ホルモンの分泌を促進し、ホルモンバランスを調整する
  4. 免疫力を高める
  5. 認知症の原因とも言われている脳の老廃物を除去する
  6. 脳をクリアな状態にリセットする
  7. 覚えた記憶を整理する

単に脳や体に休養を与えるという役割のみに目がいってしまいますが、自律神経やホルモンバランスの調整、免疫力アップ、脳の老廃物の除去といった健康を維持するためにも不可欠なのが「睡眠」というわけです。

「勉強」という切り口から捉えるとすれば、特に注目すべきは「脳をクリアな状態にリセットする」ことと「覚えた記憶を整理する」ことの2つの役割。

勉強の効果を高めてくれる、この2つの役割をもう少し掘り下げてみたいと思います。

睡眠は勉強の効果を高める

睡眠不足の状態だと、仕事や勉強の能率はなかなか上がりません。

単に睡眠不足で集中力が上がらないからだけではありません。

睡眠によって「脳をクリアな状態にリセットする」ことと「覚えた記憶を整理する」という2つの効果を得られていないからです。

睡眠によって脳をクリアな状態にリセットするのはなんとなく直感的にわかりやすいですが、覚えた記憶を整理することについては少し解説が必要だと思います。

前日までの覚えた情報を長期記憶として脳に定着させる仕組みを「勉強」を例にしてもう少し詳しく解説します。

記憶を司るのは「海馬」「前頭葉」「側頭葉」という脳の3つの器官です。

「勉強」することによって得た情報は、まず「海馬」に一時保管されます。

一時保管された記憶が長期的に覚えておくべき情報かどうかは「前頭葉」が判断します。

「前頭葉」が長期的に記憶する必要があると判断した情報は、「側頭葉」に記憶されます。

「前頭葉」が長期的に記憶する必要がないと判断した場合、「海馬」にとどまり、一時保管された情報は消去されて(忘れられて)しまいます。

「海馬」から「側頭葉」への記憶の移行をスムーズに行うためには、睡眠によって「記憶の整理」というプロセスをしっかり経る必要があります。

では、記憶を定着させるためにどのような睡眠をとったらいいのでしょうか。

理想的なのは8時間程度の睡眠時間を確保すること。最低でも6時間以上は確保したいところです。

でも、現実にはなかなか理想的な睡眠時間をとることは困難です。忙しくて6時間以上の睡眠をとることが難しい場合もあります。

それに、そもそも長く眠ればいいというものでもありません。

睡眠には質の高い睡眠と質の低い睡眠があり、質の低い睡眠を長くとったからといって、あまり効果は得られません。

一方、質の高い睡眠をとることができれば、多少、睡眠時間が短くても脳をクリアな状態にすることが可能です。

8時間程度、最低でも6時間以上の睡眠時間を確保するのが「ベスト」ではありますが、必要な睡眠時間を確保できないのであれば、限られた時間のなかでより質の高い睡眠をとることを模索するのが「ベター」な選択と言えます。

質の高い睡眠とは

質の高い睡眠とはどのような睡眠なのでしょうか。

結論から言えば、一晩の睡眠のなかで最初に訪れる深い睡眠(ノンレム睡眠)を確実にとることです。

睡眠にはレム睡眠ノンレム睡眠の2種類があります。

レム睡眠は、脳は起きているが体は眠っている浅い眠りの状態。

ちなみに「レム(REM)」は「急速眼球運動」を意味するRapid Eye Movementの頭文字をとったものです。

一方、ノンレム睡眠は、脳も体も眠っている深い眠りの状態。

就寝して起床するまでの間、ノンレム睡眠レム睡眠が交互に4~5回程度、繰り返されます。

眠りに入ってから通常10分程度でノンレム睡眠に入ります。

この最初のノンレム睡眠が一晩の睡眠のなかで最も深く、レム睡眠との繰り返しのなかで徐々に浅く短くなっていきます。

最初のノンレム睡眠の次に来るレム睡眠は短時間で終わり、2回目のノンレム睡眠に移行しますが、この繰り返しのなかで、レム睡眠は徐々に長くなっていきます。

つまり、ノンレム睡眠は最初が最も深く、徐々に浅くなり、レム睡眠は最初は短く、徐々に長くなってくるわけです。

この睡眠リズムのなかで最も大切にしたいのが「最初のノンレム睡眠」です。

最も深い睡眠である「最初のノンレム睡眠」は通常だと90分程度続きます。この90分間の「ノンレム睡眠」は、一晩の睡眠リズムのなかで、以下の効果が最も高い睡眠です。

  1. 眠気の解消
  2. 脳のリセット効果
  3. 記憶の定着
  4. 自律神経・ホルモンバランスの調整

つまり、「最初のノンレム睡眠」をしっかりとることが質の高い睡眠をとることと同義というわけです。

脳のリセットと記憶の定着もこの「最初のノンレム睡眠」で行われている点は特に注目すべきところです。

良質な睡眠をとるための3つの方法

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質の高い睡眠をとる、つまり最初のノンレム睡眠を確実のとるための3つの方法をご紹介します。

就寝時間と起床時間を固定すること

人間には24時間前後で一周する体内時計が備わっています。

この体内時計に素直に従い、決まった時間に寝て、決まった時間に起きるという方法が良質な睡眠をとるのに最も適しています。

特に就寝時間を固定するのは「最初のノンレム睡眠」を確実にとるためには極めて重要です。

一方の起床時間については固定するのが望ましいですが、多少の前後くらいであれば問題ありません。

なので、もし仕事や勉強で睡眠時間を削る必要があるのなら、寝る時間は変えずに起きる時間を早めて、いったん睡眠をとったあと、早朝に起きて仕事や勉強を行うのが賢明です。

逆に翌朝早起きしなければならないとしても寝る時間を早めるのはあまり得策ではありません。

不思議なもので実は就寝時間の直前ほど眠りに入りにくい時間帯だったりします。

無理に眠ろうとするとかえって眠れなくなり、いつもの睡眠サイクルが狂ってしまう可能性があります。

一方、休みの日にいつもより1~2時間長めに寝るくらいのことはまったく問題ありません。

誰しもたまの休みの朝寝くらいはしたいものですよね。

それよりもいつもどおりの時間に眠り、確実に「最初の90分間のノンレム睡眠」をとることを意識するほうが効果的です。

覚醒時間に睡眠に良い行動をとること

睡眠と覚醒は表裏一体。

良質な睡眠をとるためには、覚醒時間に活動的で良質な時間を過ごすことが意外と重要だったりします。

なかでも大切なのは食事。

朝食を摂ってしっかりと目を覚まし、昼食を摂って日中は活動的に過ごし、夕食を摂って睡眠の準備をする、という行動が、結果として良質な睡眠につながるわけです。

寝る前に睡眠の準備をすること

寝る前に睡眠の準備をすることも大切です。

特に意識する必要があるのは「体温」と「光」。

人間は睡眠中に体温が低くなります。

体温が下がると自然に眠気が訪れます。

かといって、体温を下げるために無理して体を冷やしてはいけません。

逆に暖めてあげると、体が自然に熱を放出し、元の体温よりもむしろ低くなります。

そういう意味でお風呂の入るのは極めて合理的。

お風呂で体を暖め、ゆっくりと時間をかけて熱を放出することで自然な眠気を誘発することができるわけです。

また、人は明るい昼の時間帯に活動し、暗い夜の時間帯に睡眠をとります。

「光」は睡眠時間と覚醒時間を切り替えるスイッチの役割を果たしています。

日の光を浴びると目が覚めやすくなりますが、逆に寝るときには明かりを暗くすることで眠りに入りやすくなります。

なので、できれば常夜灯などもつけずに真っ暗な状態で寝るほうがスムーズに睡眠することができます。

まとめ

以上が本記事でお伝えしたかった内容です。これまでお話ししてきたことをまとめると以下のとおり。

  • 睡眠には、脳や体を休息させるという役割だけでなく、自律神経やホルモンバランスの調整、免疫力アップ、脳の老廃物の除去、脳のリセット、記憶の整理などの役割がある。
  • 脳を良い状態に保つためには睡眠が必要。勉強の効率を高めるために、できれば8時間程度、最低6時間以上の睡眠時間を確保したい。ただ、実際にはなかなか睡眠時間をとることができないのが現実。その場合は、質の高い睡眠をとることを意識しよう
  • 良質な睡眠をとるために意識したいのは、①就寝時間と起床時間を固定すること、②覚醒時に睡眠に良い行動をとること、③寝る前に入眠の準備をすること、の3つ。

この記事が皆さまのお役に立つと嬉しく思います。

 

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