不動産鑑定士試験の概要~短答式・論文式の試験科目と試験形式~

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不動産鑑定士について
F1 DigitalsによるPixabayからの画像

★30秒でわかる!この記事の内容

  • 不動産鑑定士試験は短答式試験と論文式試験の2段階選抜方式。短答式試験に合格すると論文式試験を論文式試験の受験資格を獲得し、2年間は短答式試験の免除を受けることができる。
  • 短答式試験に受験資格はなく、誰でも受験することが可能。試験日は5月中旬の日曜日。試験科目は「鑑定理論」と「行政法規」の2科目。出題形式は五肢択一マークシート方式。
  • 論文式試験は短答式試験の合格者が受験可能。試験日は7月下旬~8月上旬の土日月(3日間!)。試験科目は「鑑定理論」「民法」「会計学」「経済学」の4科目。ただし、鑑定理論は論文問題が2回、演習問題1回の計3回に分けて実施されるため、半分のウエイトを占める。出題形式は論文式(演習含む)。

これまで不動産鑑定士の仕事内容などを解説してきましたが、不動産鑑定士になるための国家試験って、具体的にはどんな内容なのでしょうか。

この記事では、不動産鑑定士試験の概要を、できるだけ詳しく解説させていただきます。

不動産鑑定士試験は2段階選抜方式

不動産鑑定士試験は国土交通省が実施する国家試験です。

不動産鑑定士試験の受験案内は国土交通省のホームページに掲載されますので、受験をご検討されている際には一度チェックしておくことをおすすめします。

不動産鑑定士試験は短答式試験と論文式試験の2段階選抜方式。

短答式試験に合格すると論文式試験を受験することができるようになります。

短答式試験、論文式試験はいずれも年に1回実施されます。

短答式試験の試験日は5月中旬、論文式試験の試験日は7月下旬~8月上旬ですので、最短で同じ年に両方の試験をクリアすることも可能です。

ただ、短答式試験から論文式試験までの期間は2ヶ月余り。

わずか2ヶ月余りの勉強時間だけで論文式試験に合格するのはなかなかの至難の業。

ですので、最短での合格を目指すのであれば、短答式試験対策と論文式試験対策を同時に行うのが理想です。

ただし、短答式試験に合格したあと、その年の論文式試験に合格できなくても大丈夫。

短答式試験に合格すると、その年の論文式試験で不合格の場合も、短答式試験の合格から2年以内に行われる短答式試験は申請により免除になります。

つまり、短答式試験に合格した年を含めて3回までであれば短答式試験を受けることなく論文式試験を受験することができるわけです。

1回目2回目3回目
短答式試験合格免除免除
論文式試験不合格不合格不合格

不動産鑑定士試験の受験申込には電子申請と書面申請の2種類があります。

例年の申込スケジュールと受験手数料は以下のとおりですが、せっかく勉強しても受験申込を忘れてしまっては元も子もありませんので、国土交通省のホームページに掲載された受験案内でしっかりと確認しておきましょう。

ちなみに受験申込は、短答式試験、論文式試験で別々に行うわけではなく、一度に行ってしまいます。論文式試験の申込だけを別途行う必要はありません。

願書配布2月中旬~3月上旬
願書受付2月中旬~3月上旬
電子申請は電子政府の総合窓口e-Gov電子申請システムにて申請
書面申請は国土交通省土地鑑定委員会事務局宛郵送
受験手数料(論文式試験含む)電子申請:12,800円(電子納付)
書面申請:13,000円(収入印紙)

短答式試験の概要

短答式試験に受験資格はなく、誰でも受験することが可能です。

年齢、性別、学歴、国籍、実務経験等の制約はありません。

誰にでも等しくチャンスがあり、勉強さえ頑張れば合格することができる正真正銘の実力勝負です。

短答式試験の概要は次のとおり。

試験日例年5月中旬の日曜日(1日間)
試験地北海道札幌市、宮城県仙台市、東京都、新潟県新潟市、愛知県名古屋市 大阪府大阪市、広島県広島市、香川県高松市、福岡県福岡市 沖縄県那覇市
合格発表例年6月下旬
試験科目不動産に関する行政法規(行政法規)
不動産の鑑定評価に関する理論(鑑定理論)
試験時間行政法規:10:00~12:00(120分)
鑑定理論:13:30~15:30(120分)
出題数・配点行政法規:出題数40問、配点100点
鑑定理論:出題数40問、配点100点
出題形式五肢択一マークシート方式
合格基準総合点で概ね7割を基準に土地鑑定委員会が相当と認めた得点。ただし、総合点のほかに各試験科目について一定の得点を必要とする。

論文式試験の概要

論文式試験は短答式試験の合格者が受験可能です。

試験は3日間にわたる長丁場。気合で乗り切りましょう!

試験科目は「鑑定理論」「民法」「経済学」「会計学」の4科目ですが、「鑑定評価」は論文問題2回、演習問題1回の計3回に分けて実施されますので、約半分のウエイトを占めています。

「鑑定理論」の攻略が大きなポイントになるわけです。

論文式試験の概要は次のとおり。

試験日例年 7月下旬~8月上旬 (日曜日を含む土・日・月の連続する3日間)
※ 令和3年は8月14日(土)、15日(日)、16(月)の予定
試験地東京都 大阪府大阪市 福岡県福岡市
合格発表例年 10月中旬
※ 令和3年は10月29日(金)の予定
試験科目民法、経済学、会計学、不動産の鑑定評価に関する理論
試験日時民 法      :1日目10:00~12:00(120分)
経済学      :1日目13:30~15:30(120分)
会計学      :2日目10:00~12:00(120分)
鑑定理論(論文):2日目13:30~15:30(120分)
鑑定評価(論文):3日目10:00~12:00(120分)
鑑定理論(演習):3日目13:30~15:30(120分)
出題数・配点民 法      :出題数2問、配点100点
経済学     :出題数2問、配点100点
会計学     :出題数2問、配点100点
鑑定理論(論文):出題数2問、配点100点
鑑定評価(論文):出題数2問、配点100点
鑑定理論(演習):出題数1問、配点100点
出題形式論文式(演習による出題を含む)
合格基準総合点で概ね6割を基準に土地鑑定委員会が相当と認めた得点。ただし、総合点のほかに各試験科目について一定の得点を必要とする。なお、免除科目がある場合は、免除科目を除いた科目の合計得点を基に偏差値等を用いて算出した総合点に相応する点数を、その者の総合点として判定

まとめ

以上が本記事でお伝えしたかった内容です。これまでお話ししてきたことをまとめると以下のとおり。

  • 不動産鑑定士試験は短答式試験と論文式試験の2段階選抜方式。短答式試験に合格すると論文式試験を論文式試験の受験資格を獲得し、2年間は短答式試験の免除を受けることができる。
  • 短答式試験に受験資格はなく、誰でも受験することが可能。試験日は5月中旬の日曜日。試験科目は「鑑定理論」と「行政法規」の2科目。出題形式は五肢択一マークシート方式。
  • 論文式試験は短答式試験の合格者が受験可能。試験日は7月下旬~8月上旬の土日月(3日間!)。試験科目は「鑑定理論」「民法」「会計学」「経済学」の4科目。ただし、鑑定理論は論文問題が2回、演習問題1回の計3回に分けて実施されるため、半分のウエイトを占める。出題形式は論文式(演習含む)。

この記事が皆さまのお役に立つと嬉しく思います。

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