★30秒でわかる!この記事の内容
- 不動産鑑定士は、弁護士、公認会計士と並ぶ三大国家資格の一つであり、その資格試験は超難関国家試験。近年の合格率は、短答式試験が30~33%、論文式試験が14%~15%で推移しており、単純に掛け合わせると合格率5%程度。
- 不動産鑑定士に合格するための必要勉強時間は個人差があるものの3,000時間程度。公認会計士や税理士、司法書士といった人気の超難関国家試験と同レベル。
- 超難関資格であることに変わりはないが、以前に比べれば合格のしやすさはアップ。今後はもしかしたら注目を集め人気を取り戻すかも?希少性が高く収入は安定的、現時点ではいまだ受験者数が少ない状況。不動産鑑定士は、「レアでお得な資格」であるとともに「穴場の資格」「狙い目資格」
不動産鑑定士試験を受けるにあたり、やっぱり気になるのは試験の難易度。
「不動産鑑定士ってどれくらい難しいの?」
この記事では、そんな疑問のお答えすべく、合格率と必要勉強時間の面から考察し、できるだけ詳しく解説させていただきます。
不動産鑑定士試験の合格率
不動産鑑定士試験は短答式試験と論文式試験の2段階選抜方式の試験です。それぞれの受験者数、合格者数、合格率等の推移は以下のとおり。
<短答式試験>
実施年度 | 受験者数 | 合格者数 | 合格率 | 合格ライン |
2015年 | 1,473人 | 451人 | 30.60% | 70.00% |
2016年 | 1,568人 | 511人 | 32.60% | 63.75% |
2017年 | 1,613人 | 524人 | 32.50% | 67.50% |
2018年 | 1,751人 | 584人 | 33.40% | 68.75% |
2019年 | 1,767人 | 573人 | 32.40% | 70,00% |
2020年 | 1,415人 | 468人 | 33.10% | 66.25% |
2021年 | 1,709人 | 621人 | 36.30% | 70.00% |
2022年 | 1,726人 | 626人 | 36.30% | 75.00% |
2023年 | 1,647人 | 553人 | 33.60% | 66.30% |
<論文式試験>
実施年度 | 受験者数 | 合格者数 | 合格率 | 合格点 |
2015年 | 706人 | 100人 | 14.20% | 378点 |
2016年 | 708人 | 103人 | 14.50% | 348点 |
2017年 | 733人 | 106人 | 14.50% | 347点 |
2018年 | 789人 | 117人 | 14.80% | 376点 |
2019年 | 810人 | 121人 | 14.90% | 353点 |
2020年 | 764人 | 135人 | 17.70% | 380点 |
2021年 | 809人 | 135人 | 16.70% | 380点 |
2022年 | 871人 | 143人 | 16.40% | 369点 |
合格率は短答式試験、論文式試験ともに徐々に上昇していることが分かりますが、これには次のような理由があります。
不動産鑑定士試験の短答式試験の受験者数は年々減少傾向にあります。
受験者が増加傾向にある宅地建物取引士試験と対象的です。
原因は、知名度や人気がそれほど高くない反面、難易度が高すぎたことにあります。
この点を問題視したのが国土交通省。
2016年から受験制度改革に乗り出し、試験の難易度を下げたのです。
特に顕著なのが論文式試験。
上記の表を見ていただくと、2016年の試験で合格点が大幅に下がっているのが分かります。
その結果、受験者数は減っているものの、合格者は徐々に増加しはじめました。
超難関資格であることに変わりはありませんが、以前に比べれば合格のしやすさはアップしていると考えられます。
不動産鑑定士試験に合格するための必要勉強時間
不動産鑑定士試験に合格するために必要な勉強時間は、個人差があるものの3,000時間と言われています。
これも数字だけみてもあまりピンときませんので、他の資格の必要勉強時間と比較してみましょう(各資格の必要勉強時間はあくまでも目安に過ぎませんのでご注意を!)。
資格 | 必要勉強時間の目安 |
弁護士 | 6,000時間 |
公認会計士 | 3,000時間 |
不動産鑑定士 | 3,000時間 |
税理士 | 3,000時間 |
司法書士 | 3,000時間 |
社会保険労務士 | 1,000時間 |
中小企業診断士 | 1,000時間 |
土地家屋調査士 | 1,000時間 |
行政書士 | 600時間 |
マンション管理士 | 500~600時間 |
宅建士 | 250~400時間 |
FP2級 | 350時間 |
日商簿記2級 | 250時間 |
基本情報技術者試験 | 200時間 |
社会的なステータスと知名度の高い弁護士は別格として、公認会計士や税理士、司法書士といった人気の超難関国家試験と同レベル。
やはり相当の時間を勉強に費やさなければなりません。
難易度は高いが、穴場の狙い目資格!
不動産鑑定士試験の難易度は、資格試験のなかでも最高レベルに高い資格であることは間違いありません。
一方で、知名度は低く、人気も高いとは言えないのが実情。
でも、不動産鑑定士は、この資格を保有しているだけで独立開業の可能性と相応の報酬を安定的に得られる可能性が高まる数少ない資格の一つです。
試験は難しいのに人気はいま一つ。目指すのはちょっと割に合わないな~とついつい思ってしまいそうですが、別に人気者になりたくて資格と取るわけではありません。
人気がなくても、知名度が低くても、他の人に自慢できなくても、プロフェッショナルとしてやりがいのある仕事をして相応の報酬を安定的に得られれば、「資格」としてまったく問題ないはずです。
不動産鑑定士は確かに人気がいま一つかもしれませんが、現状は「資格保有者が極端に少なく」、需要と供給のミスマッチが生じている資格です。
不動産鑑定士はその資格だけで十分に独立開業の可能性と相応の報酬を安定的に得られる可能性の高い数少ない資格の一つですが、資格保有者の人数が少なく競争がそれほど激しくないため、独立開業のしやすさ、収入の安定性が、資格のなかでも群を抜いた資格、ということになります。
既述のとおり、受験者数は減っているものの、合格者は徐々に増加しはじめました。
超難関資格であることに変わりはありませんが、以前に比べれば合格のしやすさはアップしています。
今後はもしかしたら注目を集め人気を取り戻すかもしれません。
希少性が高く収入は安定的。しかも、現時点ではいまだ受験者数が少ない状況。
不動産鑑定士は、「レアでお得な資格」であるとともに、今こそ「穴場の資格」「狙い目資格」と言えるのではないでしょうか。
まとめ
以上が本記事でお伝えしたかった内容です。これまでお話ししてきたことをまとめると以下のとおり。
- 不動産鑑定士は、弁護士、公認会計士と並ぶ三大国家資格の一つであり、その資格試験は超難関国家試験。近年の合格率は、短答式試験が30~33%、論文式試験が14%~15%で推移しており、単純に掛け合わせると合格率5%程度。
- 不動産鑑定士に合格するための必要勉強時間は個人差があるものの3,000時間程度。公認会計士や税理士、司法書士といった人気の超難関国家試験と同レベル。
- 超難関資格であることに変わりはないが、以前に比べれば合格のしやすさはアップ。今後はもしかしたら注目を集め人気を取り戻すかも?希少性が高く収入は安定的、現時点ではいまだ受験者数が少ない状況。不動産鑑定士は、「レアでお得な資格」であるとともに「穴場の資格」「狙い目資格」
この記事が皆さまのお役に立つと嬉しく思います。
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