- 能力向上を目指す前にまずは伸ばすべき方向性を決める必要がある。自分のどの能力を伸ばしたいかを考えてみよう!ベストなのは、自分が「好きなこと」「やりたいこと」に関する能力を伸ばすこと。
- 「やりたいこと」が分からない場合には自分が何をしたいかを探してみよう!「やりたいこと」を見つけるにはコツがある。①自分の欲求を認めること、②自分の欲求を理解すること。③自分が何をしたいか、何をしたくないか、自分には何ができるかを確認し、整理すること。そして、④とにかく始めてみること。⑤ダメで元々、失うものは何もない。失敗したらもう一度①に戻ればいい。
- でも結局のところ「やりたいこと」なんかなくたって何の問題もない。全員が「やりたいこと」をできるわけじゃないし、人生はそんなに単純じゃない。大切なのは自分のペース。自分は自分、他人は他人。
「能力向上を目指そう!」と一念発起したところで、さて、どちらの方向に能力を伸ばすべきかはちょっとした考え処です。
ベストなのは、自分が「好きなこと」「やりたいこと」に関する能力を伸ばすこと。
本記事の主題は「やりたいことの見つけ方」です。
でも、結局のところ全員が全員「やりたいこと」をできるわけでもないし、「やりたいこと」をやっているからって偉いわけでもありません。
やりたいことなんてなくたって全然大丈夫!問題なし!
何のこっちゃ?という感じですが、最終的にはそんな結論に至ります。
能力向上の方向性を決める
「能力向上を目指そう!」とご提案しましたが、どちらの方向に能力を伸ばすかは人それぞれ。
頭を使う能力か、体を使う能力か。モノを作る能力か、モノを売る能力か。文系的能力か、理系的能力か。
はたまた、ビジネスマンか、芸能人か。理論派か、行動派か。芸術家肌か、職人気質か。
といった感じで、方向性をあげだしたらキリがありません。
すべての方向に能力を伸ばすことができればもちろんそれに越したことはありませんが、私たちは全能ではありませんし、自己研鑽する時間も限られています。
能力を伸ばす方向は自分が決めなければなりません。限られた貴重な時間を使って頑張るために、どちらに向かっていくかは自分で選択する必要があります。
ベストなのは、自分が「好きなこと」「やりたいこと」に向かって能力を伸ばすこと。
自分が「好きなこと」「やりたいこと」を持っている場合は、特に悩む必要はありませんが、持っていない場合は、はたして自分の「やりたいこと」って何だろう?と考え込んでしまいますよね。
ここで必要になるのが「やりたいこと」の見つけ方です。
やりたいことの見つけ方
「やりたいこと」を見つける。
やりたいことが明確にある人からすると、そんなの簡単じゃん、って思うかもしれませんが、これが意外と難しいんですよね。
多くの人が自分の「やりたいこと」を見つけられず、悩んでいることと思います。
でも大丈夫。「やりたいこと」を見つけるにはちょっとしたコツがあります。
- 自分の欲求を認めること
- 自分の欲求を理解すること
- 自分のやりたいこと、やりたくないこと、できることを確認し、整理すること
- とにかくやってみること
- やってみてダメでも大丈夫。もう一度1.に戻ればいいだけのこと。
自分の欲求を認める
誰もが皆、子どもの頃には大きな夢を持っています。お菓子屋さんになりたい、おもちゃ屋さんになりたい、アイドルになりたい、プロ野球選手になりたい。「なりたいもの」「やりたいこと」が沢山あって、あり過ぎて困るくらいだったはずです。
でも、年齢を重ねて、人生の荒波にもまれているうちにいつの間にか夢を忘れてしまうんですよね。
さらには、大人になるにつれて、自分の限界、できる範囲が見えてきます。子どもの頃に思い描いていたようなキラキラした夢を抱き続けられなくなっていきます。
もっと言うと、私たちは「欲求」を持つことを恥ずかしいことのように思いがちです。無欲で、奥ゆかしい人間こそが価値のある人間なんだと、知らず知らずのうちに刷り込まれているのかもしれません。
そんなふうにして、すぐそばにあったはずの「やりたいこと」は、何重もの包みに覆い隠されて、見えなくなってしまっています。
でも、消えてなくなったわけではありません。
単に見えなくなっているだけで、自分のなかにはちゃんと残っています。
「やりたいこと」を覆い隠すシートを一枚一枚、丁寧に剥がしていけば、ちゃんと見つけることができます。
そのスタートラインが自分の「欲求」を認めることです。認めることで「やりたいこと」への扉が開きます。
この段階では自分の「やりたいこと」はまだ見つけられませんが、「欲求」を認めることで、そこにあるはずの「やりたいこと」をしっかりとロックオンすることができます
「欲求」を持っていることを恥ずかしがる必要はありません。
自分の「欲求」を認めたからといっても、誰かに宣言しなければいけないわけでもなく、自分一人だけで人知れず完結できる作業なのですから。
それにそもそも「欲求」を持つことは、人としてむしろ健全なことのはず。
無欲で奥ゆかしい至上主義からの脱却を図りましょう。
まずは、自分の「欲求」を認める。
これでステップ1は完了です。
自分の「欲求」を理解する~マズローの欲求5段階説~
ステップ2は、自分の「欲求」を理解すること。
それは、地層を調査することに似ています。自分の歴史のなかで、いつの時代の地層に「やりたいこと」が隠れているのかを探し当てるわけです。
この作業はとても重要ですので、有名な「マズローの欲求5段階説」というツールを使います。
マズローの欲求5段階説
「マズローの欲求5段階説」は、アブラハム・マズローさんというアメリカの心理学者が提唱したもので、「自己実現理論」とも言われています。
マズローの欲求5段階説は、上の図のようにピラミッドのような形状をしています。
下から「生理的欲求」「安全欲求」「社会的欲求」「承認欲求」「自己実現欲求」と5層に積み重なっていて、各層には下層の欲求が満たされると上の欲求が表れる、という関係があります。
生理的欲求
食事・睡眠・排泄などの生命を維持するための本能的な欲求です。
安全欲求
安心安全、経済的安定性、健康状態・生活水準の維持、事故防止、予測可能性といった秩序だった状態を得ようとする欲求です。
社会的欲求
誰かに必要とされている、どこかに所属している、他社に受け入れられている、社会的役割がある、といった感覚を求める欲求です。
承認欲求
誰かから認めれたい、尊重されたいという欲求です。
この欲求には2つのレベルがあり、低いレベルは地位、名声、尊敬、注目などを求める欲求、高いレベルは能力の習得、自立、自信などを求める欲求です。低いレベルは他者からの評価、高いレベルは自分自身の評価が重視されます。
自己実現欲求
自分の持っているポテンシャル、能力、可能性を最大限に発揮し、具現化したいという欲求です。
自己超越
なお、マズローさんは晩年になると、自己実現欲求のさらにその上に「自己超越」という段階があると発表しています。
どの段階の欲求が満たされてないかを確認する
「マズローの欲求5段階説」を使って、自分にとってどの段階の欲求が満たされていないかを確認します。
これもとても重要な作業です。自分の欲求がどの段階のものかをしっかり確認しないと、本当に「やりたいこと」は見つけられません。
自分の欲求は何なのか、自分に問いかけてみましょう。
- 「お金を稼ぎたい」 ⇒ 「安全欲求」
- 「仲間がほしい」 ⇒ 「社会的欲求」
- 「出世したい」 ⇒ 「承認欲求(低いレベル)」
- 「自分を高めたい」 ⇒ 「承認欲求(高いレベル)」
- 「芸を極めたい」 ⇒ 「自己実現欲求」
といった感じです。
高い段階にあればいいというものではありません。
低い段階だからってレベルが低いと思ってはいけません、自分はそんな低レベルな人間じゃないはずと見得を張ってもいけません。
誰かに宣言するわけではなく、自分のなかだけで行う作業です。自分の欲求がどの段階のものなのかを冷静に受け止めましょう。
下層の欲求が満たされなければ上層の欲求は表れません。
自分の欲求を満たしてあげるためにどの段階の欲求かをしっかりと理解しましょう。
これでステップ2は完了です。
自分が何をしたいか、何をしたくないか、何ができるかを確認し、整理する
ステップ3は、いよいよ自分の「やりたいこと」を探す作業です。
前のステップで自分の欲求がどの段階にあるかを理解していれば、自分の「やりたいこと」を探しやすくなっています。
自分が何をしたいかを問いかけてみましょう。すぐに見つかればステップ3は完了です。
うまく見つからない場合は、逆に「したくないこと」を考えてみましょう。
「したくないこと」を一つ一つ取り除いていくと、残ったもののなかに「やりたいこと」があるはずです。
「やりたいこと」を見つけたとしても、100%実現不可能では意味がありません。
自分には「何ができるか」を考えながら、頑張ってやっと届くか、届かないか、くらいの実現可能性がちょうど良い按配です。
もちろんちょっとくらい突飛な夢でも、自分ができると思えるのであれば全然問題ありません。
- 自分が何をしたいのか
- 自分が何をしたくないのか
- 自分に何ができるか
を並べてみましょう。紙に書き出すとより効果的です。
きっと「やりたいこと」が見えてきます。
これでステップ3は完了です。
とにかく始めてみる
さて、いよいよここからが本番です。
「やりたいこと」が見つかったら、とにかく始めてみましょう。
「やりたいこと」は自分の知っていることの中からしか見つけられません。
幼い子どもはお菓子屋さんとかおもちゃ屋さんになりたいと思いますが、医者や弁護士になりたいとは思いません。医者や弁護士を知らないからです。
もしかしたら本当に「やりたいこと」は自分がまだ知らない、外の世界にあるのかもしれません。
それを知るためには、まずは一歩を踏み出す必要があります。
何でもいいからとにかく始めてみる。一歩踏み出すと視界が開けてきて、周りを見渡すことができるようになります。
例をあげると、動物園に行ってから生き物のことが好きになり、生き物の勉強をしているうちに体の仕組みに興味を持ち、体のことを調べているうちに医者になりたいと思うようになる、みたいな感じです。
今一番「やりたいこと」が生涯ずっと一番「やりたいこと」であり続けることもありますが、往々にして「やりたいこと」をやっているうちに新しい別の「やりたいこと」が見つかったりするものです。
それから有りがちなのは、失敗が怖くて「やりたいこと」を始められないこと。
「失敗を恐れるな!」と良く言いますが、言うは易しで失敗は誰もが怖いですよね。
でも何をもって失敗かは自分で決めればいいんです。
諦めずに続けている限り失敗ではない、と言うことだってできます。
失敗が怖くて「やりたいこと」を始められなければ、その時点で失敗が確定してしまいます。
「やりたいこと」を始めるのに、他人の目なんてまったく気にする必要はありません。
自分が思っているほど、周りは自分のことにそれほど関心を持っていないものです。
一大決心をして新しいことを始めても、他人は「ふーん」くらいにしか思っていません。
「やりたいこと」が見つかったら、とにかく始めてみましょう。
これでステップ4が完了です。
ダメでもともと。失敗したらやり直せばいいだけのこと
やってみたけれど、順調に進むとは限りません。むしろ、
- うまくいかなかった。
- 思っていたのとちょっとイメージと違っていた。
- 面白くなかった。
と思うことのほうが多いはずです。人生そんなに単純じゃありません。
もしそうだとしても、はじめに戻って次の「やりたいこと」を見つければいいだけのこと。
軽く考えましょう。
これですべてのステップを完了しました。
「やりたいこと」が見つからなくたって問題なし!
いまはSNSなどで一人一人が情報を発信し、自分を自由に表現することができるようになり、だれもが個人の可能性、将来性を感じています。
そのため自分の「やりたいこと」は是非ともやったほうがいいい、やるべきだ、といったような風潮があります。
「やりたいこと」ができていないこと、「やりたいこと」を見つけられないことを、少し非難するような傾向すらあります。
でも「やりたいこと」をやる自由があるように、「やりたいこと」をやらない自由だってあります。「やりたいこと」を誰にも邪魔されずにやりたいのと同じように、「やりたいこと」をやらないからといって人にとやかく言われる筋合いもありません。
人にはそれぞれ事情というものがあります。
「やりたいこと」なんてなくたって十分幸せという人もいれば、毎日を必死に暮らしていて「やりたいこと」を考える余裕すらない人だっています。
「やりたいこと」を見つけるのも、見つけないのも自分。
「やりたいこと」をするのも、しないのも自分。
「やりたいこと」なんかなくたって何の問題もありません。
大切なのは自分のペースです。自分は自分、他人は他人。
まとめ
以上が本記事でお伝えしたかったことです。これまでお話ししてきたことをまとめると以下のとおり。
- 能力向上を目指す前にまずは伸ばすべき方向性を決める必要がある。自分のどの能力を伸ばしたいかを考えてみよう!ベストなのは、自分が「好きなこと」「やりたいこと」に関する能力を伸ばすこと。
- 「やりたいこと」が分からない場合には自分が何をしたいかを探してみよう!「やりたいこと」を見つけるにはコツがある。①自分の欲求を認めること、②理解すること。③自分が何をしたいか、何をしたくないか、自分には何ができるかを確認し、整理すること。そして、④とにかく始めてみること。⑤ダメで元々、失うものは何もない。失敗したらもう一度①に戻ればいい。
- でも結局のところ「やりたいこと」なんかなくたって何の問題もない。全員が「やりたいこと」をできるわけじゃないし、人生はそんなに単純じゃない。大切なのは自分のペース。自分は自分、他人は他人。
この記事が皆さまのお役に立つと嬉しく思います。
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