★30秒でわかる!この記事の内容
- 不動産鑑定士試験対策には、大きく独学、通学講座、通信講座の3つの選択肢がある
- 独学はコストを抑えられ、学習の自由度が高いが、自分だけで内容を理解するのに時間がかかるうえ、特に論文式試験の対策が立てにくい点は大きなデメリット。
- 通学講座は効果・効率が期待できる反面、高額のコストがかかり、学習の自由度に制約
- 通信講座は通学講座と内容・コストともほとんど変わらず、学習の自由度があるが、集中力・モチベーションの維持に工夫が必要
- 不動産鑑定士試験対策の場合、やはり独学は圧倒的に不利。通学講座と通信講座については違いがあまりない。自分にとってどれが最適かを考えることが不動産鑑定士試験対策の最初の一歩。是非じっくりと考えてみよう
不動産鑑定士試験の勉強をはじめるにあたり思い浮かぶのは次のような疑問だと思います。
「独学でも不動産鑑定士試験に合格できる?」
「確実に合格するためにはやっぱり通学講座を活用すべき?」
「通信講座もよさそうだけど、実際のところどう?」
この記事では、そんな疑問にお答えすべく、不動産鑑定士試験対策における独学、通学講座、通信講座のメリット・デメリットを整理してみました。
独学・通学講座・通信講座の特徴
不動産鑑定士試験対策には、大きく独学、通学講座、通信講座の3つの選択肢があります。
独学
独学は、市販の教材(テキストや問題集など)を使用し、好きな時に好きなところで学ぶことになります。
すべては自分次第なので最も自由度の高い試験対策。決められたカリキュラムなどはありませんので、自分で学習計画を立てて、それを実行する必要があります。合格できるかどうかはすべて自分次第。
通学講座
通学講座は、資格の専門学校に通い教室で講師の方から直接講義を受けて学ぶことになります。
教材(テキストや問題集など)は資格の専門学校等が用意したものを使用し、資格の専門学校のカリキュラムに従って学習を進めることになりますので、そのレールにうまく乗ることができれば自然と合格できる学力を身につけることができます。
通信講座
通信教育は、独学ほど自由でないものの、通学講座よりはお手軽。コストはかかりますが教室に通うことなく自宅など好きなところで好きなときにレッスンを受けながら学ぶことになります。
通学講座と同様に、通信教育で用意された教材(テキストや問題集など)を使用し、基本的には通信教育のカリキュラムに従って学習を進めることになりますが、好きなときにレッスンを受けることができるため、自由度は独学と通学講座の中間くらいです。
独学・通学講座・通信講座のメリット・デメリット
「独学で不動産鑑定士試験に合格できるか」というと、実際には「不可能ではないが相当難しい」のが実情です。
不動産鑑定士試験の合格者のほとんどは、「資格の学校TAC」または「LEC東京リーガルマインド」の通信講座・通学講座を受講しており、独学で合格した方はごく少数。
実際に独学で合格している方は少数ながらいらっしゃいますので、独学での合格は不可能ではありませんが、確実な合格を目指すのであればやはり通学講座・通学講座が最適と言えます。
通信講座と通学講座のデメリットは、受講料がかなりの高額になること。
また、通学講座の場合には決められた日時に決められた場所で勉強するのは結構な負担になります。
独学、通学講座、通信講座の3つの選択肢にはメリット・デメリットがあります。
以下ではそれぞれのメリット・デメリットを整理してみました。
独学のメリット・デメリット
資格試験の勉強は何かとお金がかかるもの。
試験の受験料だったり、教材費だったり、通学講座や通信講座の受講料だったり。
でも、できることなら安く済ませたいものですよね。
その点、独学は最もリーズナブル。せいぜいかかるのは教材費と資格試験の受験料程度。
これで一発合格できればコストパフォーマンスは最強です。
誰からも強要されることなく、自分で好きなように学習計画を立てて、好きなときに好きなところで勉強できるところも利点の一つ。
独学は最もコストパフォーマンスが高く、最も自由度の高い試験対策と言えます。
ただし、不動産鑑定士試験の場合、独学はデメリットが多く、ひとつひとつのデメリットも大きい点は理解しておく必要があります。
まず1つ目は、自分で好きなように計画を立てることができますが、その計画ではたして合格できるのかどうかは誰も教えてくれません。
次に2つ目、周りに勉強仲間がいないなかで、自分の意志だけで勉強を継続し、試験本番までモチベーションと集中力を維持しなければなりません。
3つ目は、誰からも解説を受けることができませんので、自分で内容を理解しなければなりません。
不動産鑑定士試験の試験科目は内容を理解できないと解けない問題が多いのが特徴。
自分で市販の教材を読んで内容を理解するのには結構な時間がかかります。
4つ目は、そもそも、不動産鑑定士試験の独学教材は選択肢が非常に限られており、市販のものだとTACの「もうだいじょうぶシリーズ」のほぼ一択しかありません・・・。
書店などでは市販されていませんが、「LEC東京リーガルマインド」の販売しているレジュメ教材などもあります。
あとは、通信講座・通学講座のテキストの中古品を「メルカリ」などで購入するという方法も。
5つ目。やっかいなことに論文式試験は自分で長文の文章を書いて解答しなければなりません。
解答の書き方にはコツがありますが、最初は何を書いたらいいのかすらわからないはずです。
仮に書けたとしても客観的に添削してもらわないと得点できる答案かどうかも分かりません。
独学を選択した場合は、「資格の学校TAC」または「LEC東京リーガルマインド」の公開模試は最低でも受験したほうが賢明です。
また、できることなら答練コースくらいは受講しておきたいところです。
独学はコストを抑えられ、学習の自由度が高いですがが、内容理解に時間がかかるうえ、特に論文式試験の対策が立てにくい点は大きなデメリット。
独学のメリット・デメリットを整理すると以下のとおり。
<メリット>
- コストを抑えられる(教材費+資格試験の受験料程度)
- 学習の自由度が高く、勉強する時間や場所も自分で選ぶことができる
<デメリット>
- 効率・効果は自分次第
- 集中力やモチベーションを維持するのに工夫が必要
- 内容の理解に時間を要する
- 市販の教材が限られている
- 論文式試験の対策を立てるのが難しい
通学講座のメリット・デメリット
不動産鑑定士試験対策の通学講座を提供しているのは、「資格の学校TAC」と「LEC東京リーガルマインド」の2つの資格専門学校です。
TAC、LECともに長年の運営により受講者を合格に導くためのノウハウを有しています。
通学講座の最大のメリットは、TACやLECが提供する質の高い教材、経験豊富な講師陣、洗練されたカリキュラムを活用することで効率的かつ着実に学力を向上させることができる点です。
不動産鑑定士試験の試験科目は内容をしっかり理解しないと解けない問題が多いので、講師の方から分かりやすい解説を受けることで効率的に勉強をすすめることができるはずです。
特に論文式試験の解答の書き方にはコツがあり、それらを教えてもらえるのは大きなメリット。
カリキュラムのなかには論文式試験の答案練習なども組み込まれておりますので、解答を客観的に添削してもらうこともできます。
また、講師の方に手軽に質問することもできますし、法改正など鮮度の高い情報も入手可能。
勉強仲間と同じ教室で学ぶことで試験当日まで集中力とモチベーションを維持できる点も利点の一つ。
通学講座は、試験対策になかで最も学習効果が高く、かつ効率的と言えます。
一方でコストがかかる点が最も大きなデメリット。通学講座の場合は、40万円~50万円程度とかなり大きな費用負担が発生します。
加えて、決まった日時に決まった場所で講義を受けなければなりません。
当然のことながら、講義を聴くだけでは学力は向上しません。
教わった論点についてしっかりと復習し、実際に自分で問題を解くことで初めて自分の力になるわけです。
予習・復習、問題演習を含めると学習のボリュームかなりの量になります。
すべての受講者が一律のカリキュラムで学習することになりますので、各人の能力に応じたオーダーメイドの学習計画を立てることができません。
学習の自由度が低いというのも大きなデメリットの一つと言えます。
通学講座のメリット・デメリットを整理すると以下のとおり。
<メリット>
- 資格専門学校が培ったノウハウを活用した効率的な学習が可能
- カリキュラムに従って学習することで学力を着実に向上させることが可能
- 勉強時間を確実に確保できる
- 講師の方に質問することで疑問点を早期に解消可能
- 法改正など鮮度の高い情報を入手できる
- 周囲に勉強仲間がいるためモチベーションを維持しやすい
<デメリット>
- 高額のコストがかかる(40万円~50万円程度)
- 決まった日時に決まった場所で講義を受ける必要がある。
- 予習・復習、問題演習は別途必要
- カリキュラムは一律で、各人の能力に応じたオーダーメイドの学習計画は立てにくい
- 学習の自由度が低い
- 開講していない地域がある
通信講座のメリット・デメリット
宅建試験の場合は、多くの通信講座がありますが、不動産鑑定士試験の場合には選択肢が限られています。
不動産鑑定士試験対策の通信講座を提供しているのは、通学講座と同じく「資格の学校TAC」と「LEC東京リーガルマインド」の2つの資格専門学校。
通学講座と内容的にはほぼ同等で、コストもほとんど変わりません。
通学講座と異なるのは、独学と同じように教室に通うことなく好きなときに好きなところで勉強することができる点です。
学習の自由度は高いですが、通学講座と同じように通信講座が提供する、質の高い教材、洗練されたカリキュラムを活用することもできますし、質問や法改正などの情報入手も可能です。
一方で、独学のように周りに勉強仲間がいませんので、自分ひとりでモチベーションと集中力を維持しなければなりません。
通学講座と同じように予習・復習と問題演習は別途必要になりますので、学習のボリュームはそれなりに大きくなります。
通信講座のメリット・デメリットを整理すると以下のとおり。
<メリット>
- 資格専門学校が培ったノウハウを活用した効率的な学習が可能
- カリキュラムに従って学習することで学力を着実に向上させることが可能
- 講師の方に質問することで疑問点を早期に解消可能
- 法改正など鮮度の高い情報を入手できる
- 学習の自由度はそれなりに高く、勉強する時間や場所も自分で選ぶことができる
<デメリット>
- 高額のコストがかかる(40万円~50万円程度)
- 予習・復習、問題演習は別途必要。それなりに学習ボリュームが大きい
- カリキュラムは一律で、自分好みの学習計画は立てにくい
- 効果・効率を上げるためには自分の意志が必要
- 集中力やモチベーションを維持するのに工夫が必要
以上が独学、通学講座、通信講座のメリット・デメリットです。
こうやって整理してみると、不動産鑑定士試験の場合、やっぱり独学は圧倒的に不利と言わざるを得ません。
短答式試験に限って言えば、独学のデメリットの影響がそれほど大きくなりませんので、独学で合格を目指してみてもいいのかもしれません。
ですが、短答式試験と論文式試験のどちらにも出題される「鑑定理論」については初期の段階から理解を深めて基礎を固めておくのが得策。
この基礎固めが論文式試験の「鑑定理論」で効いてきます。
通学講座と通信講座とは、それほど違いがありません。
仲間と勉強するのが好きか、一人で自由に勉強するのが好きか、といった好みで選んでしまってよさそうです。
3つのなかでどの選択肢が最適なのかは、環境や何を重視するかによって決まってくるはず。
自分にとってどれが最適なのかを考えることが不動産鑑定士試験対策の最初の一歩です。
とても大切なテーマなので、是非、じっくりと考えてみてください。
まとめ
以上が本記事でお伝えしたかった内容です。これまでお話ししてきたことをまとめると以下のとおり。
- 不動産鑑定士試験対策には、大きく独学、通学講座、通信講座の3つの選択肢がある
- 独学はコストを抑えられ、学習の自由度が高いが、自分だけで内容を理解するのに時間がかかるうえ、特に論文式試験の対策が立てにくい点は大きなデメリット。
- 通学講座は効果・効率が期待できる反面、高額のコストがかかり、学習の自由度に制約
- 通信講座は通学講座と内容・コストともほとんど変わらず、学習の自由度があるが、集中力・モチベーションの維持に工夫が必要
- 不動産鑑定士試験対策の場合、やはり独学は圧倒的に不利。通学講座と通信講座については違いがあまりない。自分にとってどれが最適かを考えることが不動産鑑定士試験対策の最初の一歩。是非じっくりと考えてみよう
この記事が皆さまのお役に立つと嬉しく思います。
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