不動産鑑定士試験は独学でも合格できるか?

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不動産鑑定士の勉強法
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★30秒でわかる!この記事の内容

  • 不動産鑑定士試験の合格者のほとんどが「資格の学校TAC」または「LEC東京リーガルマインド」の通信講座・通学講座を受けており、合格者に占める独学者の割合は小さい。「独学で不動産鑑定士試験に合格できるか」というと、実際には「不可能ではないが相当難しい」のが実情です。
  • 独学はコストを抑えられ、学習の自由度が高いが、内容理解に時間がかかるうえ、特に論文式試験の対策が立てにくい点は大きなデメリット。
  • 不動産鑑定士試験には独学は不向き。独学での合格が困難な理由は次のとおり。①講師から解説を受けることができず、内容の理解に時間を要する、②市販教材の選択肢が限定的、③論文式試験の対策(書き方、客観的な添削等)を立てるのが難しい
  • 独学よりも通学講座か通信講座を選択するのが得策

超難関資格である「不動産鑑定士」。

不動産鑑定士試験は独学でも合格することは可能なのでしょうか。

この記事では、不動産鑑定士試験が独学で合格可能かどうかについて考察したうえで、そのメリット・デメリットを整理しました。

不動産鑑定士試験の合格者のほとんどが通学講座・通信講座を利用

不動産鑑定士試験に独学で合格している方はどれくらいいらっしゃるのでしょうか。

不動産鑑定士試験の合格者の属性をみると、そのほとんどは、「資格の学校TAC」または「LEC東京リーガルマインド」の通信講座・通学講座を受講しています。

令和元年(2019年)の不動産鑑定士試験合格者121名のうち、両校の公表ベースでいうと次のとおりです。

資格専門学校合格者合格者占有率
資格の学校TAC85名70.2%
LEC東京リーガルマインド30名24.8%
独学(?)6名5.0%
合計121名100.0%

「資格の学校TAC」「LEC東京リーガルマインド」ともに講座のボリュームは相当なものなので、両方とも利用しているという方はいないものと考えられます。

そうすると両校の合格者に含まれない6名が独学で合格された方と予想されます。

つまり、独学者は非常に少ないものの一定数はいらっしゃることになります。

独学のメリット・デメリット

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資格試験の勉強には、参考書や問題集などの教材費、通学講座や通信講座の受講料、本試験の受験料など、何かとお金がかかるものです。

試験の受験料だったり、教材費だったり、通学講座や通信講座の受講料だったり。

でも、できることなら安く済ませたいもの。

その点、独学は最もリーズナブル。せいぜいかかるのは教材費と資格試験の受験料程度。

これで一発合格できればコストパフォーマンスは最強です。

誰からも強要されることなく、自分で好きなように学習計画を立てて、好きなときに好きなところで勉強できるところも利点の一つ。

独学は最もコストパフォーマンスが高く、最も自由度の高い試験対策と言えます。

ただし、不動産鑑定士試験の場合、独学はデメリットが多く、ひとつひとつのデメリットも大きい点は理解しておく必要があります。

最も大きなデメリットは、誰からも解説を受けられず、自分で内容を理解しなければならないことです。

不動産鑑定士試験の問題は内容を理解できないと解けない問題が多いのが特徴。

自分で市販の教材を読んで内容を理解するのには結構な時間がかかります。

それに、そもそも、不動産鑑定士試験の独学教材は選択肢が非常に限られており、市販のものだとTACの「もうだいじょうぶシリーズ」のほぼ一択しかありません・・・。

書店などでは市販されていませんが、「LEC東京リーガルマインド」の販売しているレジュメ教材などもあります。

あとは、通信講座・通学講座のテキストの中古品を「メルカリ」などで購入するという方法も。

さらにやっかいなことに、論文式試験は自分で長文の文章を書いて解答しなければなりません。

書き方にはコツがありますが、最初は何を書いたらいいのかすらわからないはずです。

仮に書けたとしても客観的に添削してもらわないと得点できる答案かどうかも分かりません。

独学を選択した場合は、最低でも「資格の学校TAC」または「LEC東京リーガルマインド」の公開模試は受験したほうが賢明ですし、できることなら答練コースくらいは受講しておきたいところです。

また、自分で好きなように計画を立てることができますが、その計画ではたして合格できるのかどうかは誰も教えてくれません。

周りに勉強仲間がいないなかで、自分の意志だけで勉強を継続し、試験本番までモチベーションと集中力を維持しなければなりません。

独学のメリット・デメリットを整理すると以下のとおり。

<メリット>

  • コストを抑えられる(教材費+資格試験の受験料程度)
  • 学習の自由度が高く、勉強する時間や場所も自分で選ぶことができる

<デメリット>

  • 内容の理解に時間を要する
  • 市販の教材が限られている
  • 論文式試験の対策を立てるのが難しい
  • 効率・効果は自分次第
  • 集中力やモチベーションを維持するのに工夫が必要

不動産鑑定士試験対策に独学は不向き

以上、合格者の属性や独学のメリット・デメリットを踏まえれば、「独学で不動産鑑定士試験に合格できるか」というと、実際には「相当難しい」ということになりそうです。

独学での合格が困難になる理由を整理すると次のとおり。

  1. 講師から解説を受けることができず、内容の理解に時間を要する
  2. 市販教材の選択肢が限定的
  3. 論文式試験の対策(書き方、客観的な添削等)を立てるのが難しい

短答式試験に限って言えば、独学のデメリットの影響がそれほど大きくなりませんので、独学で合格を目指してみてもいいのかもしれません。

ですが、短答式試験と論文式試験のどちらにも出題される「鑑定理論」については初期の段階から理解を深めて基礎を固めておくのが得策。

この基礎固めが論文式試験の「鑑定理論」で効いてきます。

確実な合格を目指すのであれば、やはり通学講座・通学講座が最適と言えます。

まとめ

以上が本記事でお伝えしたかった内容です。これまでお話ししてきたことをまとめると以下のとおり。

  • 不動産鑑定士試験の合格者のほとんどが「資格の学校TAC」または「LEC東京リーガルマインド」の通信講座・通学講座を受けており、合格者に占める独学者の割合は小さい。「独学で不動産鑑定士試験に合格できるか」というと、実際には「不可能ではないが相当難しい」のが実情です。
  • 独学はコストを抑えられ、学習の自由度が高いが、内容理解に時間がかかるうえ、特に論文式試験の対策が立てにくい点は大きなデメリット。
  • 不動産鑑定士試験には独学は不向き。独学での合格が困難な理由は次のとおり。①講師から解説を受けることができず、内容の理解に時間を要する、②市販教材の選択肢が限定的、③論文式試験の対策(書き方、客観的な添削等)を立てるのが難しい
  • 独学よりも通学講座か通信講座を選択するのが得策

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