不動産鑑定士と宅建士を徹底比較!~その共通点と相違点

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不動産鑑定士について
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★30秒でわかる!この記事の内容

  • 不動産鑑定士と宅建士は、いずれも不動産の専門資格であり共通点も多いが、資格の印象や人気の高さ、仕事内容、試験の難易度など相違点も多い。
  • 不動産鑑定士と宅建士はともに国家資格であるが、不動産鑑定士は希少性の高い資格、宅建士は超人気資格という違いがある。
  • 不動産鑑定士と宅建士はともに就職・転職に有利で、幅広い業界で活躍可能な資格であることから平均年収は一般の会社員を上回るが、独立開業のしやすさ、独占業務、主たる顧客と顧客基盤が異なる。
  • 不動産鑑定士試験と宅建試験はともに国家試験であるが、不動産鑑定士のほうが難易度高く、宅建士のほうが受験者数・合格者数が圧倒的に多い。

不動産鑑定士と宅建士はいずれも不動産専門の国家資格です。

当然、共通点はありますが、相違点もたくさんあります。

この記事では、不動産鑑定士と宅建士を徹底比較し、その共通点と相違点を確認していきます。

不動産鑑定士と宅建士との共通点と相違点

不動産鑑定士と宅建士は、いずれも国家資格試験を突破して得ることのできる不動産の専門資格です。

就職・転職に有利であったり、幅広い業界で活躍できたり、平均年収が一般の会社員よりも高かったり、国家試験に合格する必要があったりと、多くの共通点があります。

一方で、ステータスや信用力、希少性、資格の印象や人気の高さ、独立開業のしやすさ、仕事内容、独占業務、主たる顧客と顧客基盤、受験者数と合格者数、試験の難易度など、相違点もたくさんあります。

次の章から、不動産鑑定士と宅建士の共通点と相違点について「資格の特徴・印象・人気の高さ」「仕事内容と平均年収」「試験の難易度」の3つの切り口で比較し、ひとつひとつ確認していきたいと思います。

不動産鑑定士と宅建士の資格の特徴・印象・人気の高さ

不動産鑑定士とは、国家資格試験である不動産鑑定士試験に合格し、実務修習の修了を経て、国土交通省に備える不動産鑑定士名簿に登録された者をいいます。

不動産関連資格の最高峰に位置付けられ、弁護士、公認会計士と並ぶ三大国家資格の一つと言われています。

この資格を保有しているだけで独立開業の可能性と相応の報酬を安定的に得られる可能性が高まる数少ない資格の一つであり、社会的なステータスや信用力もかなりの高さです。

難易度は資格試験のなかでも最高レベルに高い資格ですが、とにかく知名度が低いのが難点。

普通の人が「不動産鑑定士」と聞いてもあまりピンと来ないくらいです。

一方、宅建士とは、国家資格試験である宅建試験に合格し、試験を実施した都道府県知事の資格登録を受け、かつ、当該知事の発行する宅地建物取引士証の交付を受けた者をいいます。

宅建士の特徴はとにかく知名度が高く、毎年20万人以上が受験する超人気の資格ということです。

保有資格者は、不動産鑑定士の約9,500人に対して、宅建士はなんと約1,706,000人。

超人気資格だけあって圧倒的な多さを誇ります。

両資格の印象を一言で言えば、不動産鑑定士が、知名度は低いが希少性と社会的なステータス・信用力の高い資格、宅建士が、知名度が高く超人気の資格、と言えそうです。

不動産鑑定士宅建士
資格国家資格国家資格
資格保有者約9,500人約1,706,000人
ステータス・信用力高いそれなりに高い
希少性かなりレア普通
知名度低い誰でも知っている
人気あまり人気がない大人気

不動産鑑定士と宅建士の仕事内容と平均年収

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不動産鑑定士は、不動産の鑑定評価を行うための法律上の資格を有する国家資格者であり、主たる業務は不動産の経済価値を評価する鑑定評価です。

不動産に関する専門性の高さからコンサルティングなどの業務も行います。

一方、宅建士は宅地建物取引業法(宅建業法)に定める国家資格者であり、不動産流通の専門家です。

法律上、以下の業務は宅建士にしかできない独占業務(専権業務)になっており、不動産の売買や賃貸の仲介を行う宅建業者において中心的役割を担っています。

  • 重要事項の説明
  • 重要事項説明書(35条書面)への記名・押印
  • 契約書(37条書面)への記名・押印

主な就職先は、不動産鑑定士が不動産鑑定事務所、宅建士が宅建業者になりますが、どちらも、総合不動産会社、建設会社、機関投資家、銀行、一般事業会社など、業界の垣根を越えて幅広い分野で活躍可能な資格です。

平均年収は一般の会社員が約400万円と言われているなか、不動産鑑定士は700万円程度、宅建士は450万円~650万円程度と、程度の差はあるもののいずれも高い収入を得ていることが分かります。

また、不動産鑑定士と宅建士はどちらも法律上の独占業務を持っていることから独立開業しやすい資格と言えます。

独立開業した場合には、不動産鑑定士は一部の顧客層と深い関係を構築し、宅建士は幅広い顧客層を対象とするという特徴があります。

不動産の鑑定評価を依頼するのは、官公庁、一般事業会社、銀行、金融機関、投資家、資産家等が中心で、不動産鑑定士の顧客層は決して広いわけではありませんが、長期継続的な取引関係を構築できる点が魅力です。

一方、宅建士は、法人が事業用不動産を売買したり賃貸する場合や、個人が居住用不動産を売買したり賃貸したりする場合などで活躍しますので、法人から個人まで幅広い顧客層を対象とする点が魅力です。

不動産鑑定士宅建士
主たる就職先不動産鑑定事務所を中心に総合不動産会社、建設会社、機関投資家、銀行、一般事業会社など幅広い宅建業者を中心に総合不動産会社、建設会社、機関投資家、銀行、一般事業会社など幅広い
平均年収700万円程度450万円~650万円程度
独占業務不動産の経済価値を評価する鑑定評価不動産売買・賃貸の仲介を行う際の「重要事項の説明」「重要事項説明書(35条書面)への記名・押印」「契約書(37条書面)への記名・押印」
独立開業独立開業の可能性高い独立開業の可能性中程度
主たる顧客官公庁、一般事業会社、銀行、金融機関、投資家、資産家等が中心法人から個人まで幅広い
顧客基盤限定的な顧客層と長期継続的な関係を構築幅広い顧客層と関係を構築

不動産鑑定士と宅建士の資格試験の難易度

不動産鑑定士試験と宅建試験はともに国家資格試験ですが、難易度には違いがあります。

不動産鑑定士試験に合格するための必要勉強時間は3,000時間~4,000時間と言われています。

試験形式は五肢択一の短答式試験と記述式の論文式試験の2段階。

合格率は短答式試験と論文式試験の合格率を単純に掛け合わせると5%程度。

不動産鑑定士試験が超難関試験であることが分かります。

一方、宅建試験に合格するための必要勉強時間は250時間~400時間と言われています。

試験形式は四肢択一で、合格率は15%~17%程度。

超難関というほどではありませんが、それなりに難しい試験と言えます。

受験者数と合格者数は宅建士のほうが圧倒的に多く、不動産鑑定士はかなり少ない状況。

このあたりは希少性や人気の高さを表しているのだと思います。

不動産鑑定士宅建士
必要勉強時間3,000時間~4,000時間250時間~400時間
合格率5%程度15%~17%
試験の難易度超難関難易度高め
年間受験者約1,500人約200,000人
年間合格者約120人約30,000人

まとめ

以上が本記事でお伝えしたかった内容です。これまでお話ししてきたことをまとめると以下のとおり。

  • 不動産鑑定士と宅建士は、いずれも不動産の専門資格であり共通点も多いが、資格の印象や人気の高さ、仕事内容、試験の難易度など相違点も多い。
  • 不動産鑑定士と宅建士はともに国家資格であるが、不動産鑑定士は希少性の高い資格、宅建士は超人気資格という違いがある。
  • 不動産鑑定士と宅建士はともに就職・転職に有利で、幅広い業界で活躍可能な資格であることから平均年収は一般の会社員を上回るが、独立開業のしやすさ、独占業務、主たる顧客と顧客基盤が異なる。
  • 不動産鑑定士試験と宅建試験はともに国家試験であるが、不動産鑑定士のほうが難易度高く、宅建士のほうが受験者数・合格者数が圧倒的に多い。

 

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