★30秒でわかる!この記事の内容
- 転職活動は、「自分という商品を企業に売り込む営業活動」であると同時に「キャリアアップ・能力発揮可能な転職先企業の探索活動」。自分の価値を知り、自分が転職先で活躍できるキャリアを持っているかどうかを確認する「自己分析」は、転職活動の準備段階で最初に行うべき。
- 「自己分析」を行う目的は次の3つ。①「自分の価値」を知ること、②「自分のキャリア」を確認すること、③「転職の動機」を理解すること
- 「自己分析」は次の5つのステップで行うと効果的。①自分の性格、長所・短所の確認、②知識・スキルの棚卸し、③キャリアの棚卸し、④「やりたいこと」と「できること」の確認、⑤転職の動機の理解
「転職を成功に導く5つの戦略」。1つ目は、成功の決め手となる「自己分析」です。
「転職することで自分に何ができるのだろう」
「なぜ自分は転職したいのだろう」
まずは、こういった根本的な問いかけを行い、その答えを用意しておくことが転職における成功の決め手となります。
この記事では、「転職活動」の成功の決め手となる「自己分析」の目的と効果的な方法についてできるだけ詳しく解説させていただきます。
「自己分析」は転職活動の最初の一歩
転職は、転職そのものを実現するだけでなく、転職先企業で十分に能力発揮できてこそ「成功」と言えます。
せっかく転職できても、転職先の企業で活躍できなければ意味がありません。
転職活動は、「自分という商品を企業に売り込む営業活動」であると同時に「自分が能力発揮できる転職先企業の探索活動」でもあるわけです。
転職した先で活躍できるかどうかは、当然のことながら転職してみないことには分かりませんが、準備段階で自分が転職先で活躍できるキャリアを持っているかどうかを確認しておくことはできます。
自分という商品の価値を知り、自分が転職先で活躍できるキャリアを持っているかどうかを確認するのが「自己分析」です。
「自己分析」は、転職活動の準備段階で最初に行うべき作業、つまり、転職活動の第一歩になるわけです。
なお、「自分が能力発揮できる転職先企業の探索活動」で、自分と転職先企業がマッチングするかどうかを確認するためには、「自分自身」と相手方である「転職先企業」、双方の分析が必要になります。
相手方である「転職先企業」の分析については、【戦略的転職活動2】成功までの最短距離「情報の収集・整理」にて詳しく解説していますのでそちらをご参照ください。
「自己分析」の3つの目的
「自己分析」には次の3つの目的があります。
- 「自分の価値」を知ること
- 「自分のキャリア」を確認すること
- 「転職の動機」を理解すること
「自分の価値」を知ること
転職活動において、自分という商品を企業に売り込むために、まずは「自分の価値」を知る必要があります。
自分のことは自分自身が一番よく分かっているはずですが、「自分の価値は?」という問いかけに対して、明確に即答できる人は案外少ないのではないでしょうか。
日頃「自分の価値」について考える機会がほとんどないはずですので当然と言えば当然です。
ですので「自分の価値は?」という問いかけに答を出す「自己分析」という意識的な作業が必要になるわけです。
また、「自分の価値」を言葉にしておくと、自分に合う企業や自分の能力を発揮できる企業がどういうところなのかをイメージしやすくなりますし、「履歴書」「職務経歴書」「面接」など転職におけるアウトプットの局面でも役に立ちます。
「自分のキャリア」を確認すること
自分という商品を企業に売り込むためにもう一つ必要なのが「自分のキャリア」を確認することです。
「自己分析」という作業を通じて、新卒で会社に入社してから現在に至るまでの職歴、職種、業務経験、実績等を改めて振り返ることで、自分のキャリア、自分がどんな道を歩んできたのかを確認することができます。
「自分のキャリア」は転職活動という闘いを勝ち抜くうえで最も強力な武器になります。
中途採用を行っている企業は即戦力となる人材を求めるケースが多いことから、採用担当者にとって応募者の「キャリア」が最も大きな関心事です。
「自分のキャリア」を確認するための「自己分析」は転職活動の準備段階で欠かすことのできない作業と言えます。
また、「自分のキャリア」を言葉にしておくと、自分を必要としてくれる企業、自分が能力発揮できる企業を探す際の有力な手掛かりになりますし、「履歴書」「職務経歴書」「面接」など転職におけるアウトプットの局面でも役に立ちます。
「転職の動機」を理解すること
「自己分析」という作業は、自分がなぜ転職をするのかを見つめ直す機会にもなります。
転職はやはりリスクを伴うもの。
成功するかもしれませんし、失敗するかもしれません。
自分にピッタリの転職先が見つかるかもしれませんし、入社してみたらやや居心地の悪い思いをするかもしれません。
転職しよう!と思い立ってから最初の一歩を踏み出す前に「自己分析」で「自分がなぜ転職をするのか」を問い直すことはとても重要です。
その結果、転職するのを取りやめにして、今の会社で頑張るというのも選択肢のひとつです。
また、「転職の動機」を考えることで、自分が何をしたいのかを改めて確認できれば、転職先企業を探す際の有力な手掛かりになるはずですし、「転職の動機」は面接等でも必ずと言っていいほど聞かれる質問ですので、「自己分析」を通じてその答えを用意しておくことも大切です。
「自己分析」の方法~効果的に行う5つのステップ~
「自己分析」は次の5つのステップで行うと効果的です。
- 自分の性格、長所・短所の確認
- 知識・スキルの棚卸し
- キャリアの棚卸し
- 「やりたいこと」と「できること」の確認
- 転職の動機の理解
各ステップを行う際に重要なのは、「言葉にして、文字として書き出すこと」です。
自己分析ノートを用意したり、パソコンを使って簡単なレジュメを作成したり、方法や手段は何でも構いません。
「言葉にして、文字として書き出すこと」で、自分のなかで言葉にならないモヤモヤとした概念や、おぼろげだった「自分自身」のイメージが、くっきりとした輪郭を持って具体化します。
文字として書き残しておけば、「履歴書」や「職務経歴書」を書く際の「素案」にもなりますし、さらには「面接」をする受ける際に「自分の価値」をアピールする「宣伝文句」にもなります。
自分の性格、長所・短所の確認
「自分のことは自分が一番よく分かっているはず。改めて確認するまでもないのでは?」
まったくそのとおりなのですが、これを「言葉にして、文字として書き出す」と、ちょっと違った見え方をするものです。
例えば、次のような質問を自分自身に投げかけて、その答えを言葉にして、文字として書き出してみましょう。
- 自分は一言でいうと何タイプ?
- 自分の好きなものは?何をしているときが一番楽しい?
- 将来の夢や目標は?
- 一人で仕事をするのが好き?それともチームで仕事をするのが好き?
- 論理的?それとも感覚的?
- リーダータイプ?サポータータイプ?
- 運動と勉強、どちらが好き?
- 何が得意で、何が苦手?
- 自慢できるものを一つだけ挙げるとしたら?
質問はなんでも構いませんが、できるだけ多くの質問を投げかければ「自己分析」が立体的なものになります。
大切なのは「言葉にして、文字として書き出すこと」。
「あれ?自分にはこんなところがあったのか」というふうに新たな発見があるかもしれません。
今まで気づかなかった自分に気づくと、まったく新しい分野に興味が湧き、転職先の選択肢も拡がるかもしれません。
また、「履歴書」や「職務経歴書」「面接」などで自分のことを説明するときの「素材」を集めることができるようになるはずです。
知識・スキルの棚卸し
自分がこれまで生きてきて獲得してきた「知識」や「スキル」を箇条書きにして書き出してみます。
「資格」「PC能力」、「外国語能力」「企画力」「問題解決能力」などはもちろんのこと、「得意料理」や「筋肉自慢」、「聞き上手」や「似顔絵上手」、「全国温泉巡り」や「ラジオ体操皆勤賞」、「観てきた映画の数」「読んできた本の数」なんていうのでもまったく問題ありません。
自分の人生を振り返ってこれまでに獲得してきたありとあらゆる知識やスキル、能力という能力をとにかくたくさん書き出してみましょう。
そうやって文字にして書き出してみると、自分が思っていた以上に奥行と深みにある人間だということに気づくはずです。
結果として、自分に自信を持つことにもつながります。
そこには、自分がどんな業界、業種に適性があるのかを探るためのヒントが隠されているかもしれません。
キャリアの棚卸し
新卒で会社に入社してから現在に至るまで職歴、自分がどんな道を歩んできたかを棚卸しして、文字として書き出します。
具体的には次のような項目を順番に並べていきます。
- 経験した職種・役割・役職と経験年数
- 担当した業務
- 具体的な実績(数値があるとなおよし)
- 業務経験を通じて獲得したスキル
- 印象に残っている業務、苦労した業務
- ちょっとしたエピソード
最初は「経験した職種・役割・役職」と「経験年数」などの事実を時系列に書き出し、あとから少しずつ、「担当した業務」「具体的な実績」「業務経験を通じて獲得したスキル」「印象に残っている業務、苦労した業務」「ちょっとしたエピソード」などを順番に付け加えていくと良いでしょう。
最終的には「職務経歴書」としてアウトプットする際の「素材」になりますが、「キャリアの棚卸し」の段階では、あまり見栄えは気にせず、思い出したこと、気づいたことをメモしていくくらいで問題ありません。
これもできるだけたくさん書き出したほうが、自分という人間を立体的に分析することができるようになります。
「やりたいこと」と「できること」の確認
自分の「やりたいこと」と「できること」をそれぞれ言葉にして、文字として書き出してみましょう。
その結果は、自分が能力発揮できる分野、業界、職種、転職先企業などを探す際の重要な手掛かりになります。
「やりたいこと」と「できること」は必ずしも一致しません。
「やりたいこと」と「できること」がすべて一致して、きれいに重なるのが理想ですが、必ずしもそうとは限りません。
「やりたいこと」だけど「できること」ではないこと、「できること」だけど「やりたいこと」ではないこと、がきっとあるはず。
転職活動において、どちらを優先するかは人それぞれ。
若い方であれば、「やりたいこと」を優先して、転職先でキャリアを積んで将来的に「できること」にするのもいいでしょう。
ミドル以上の方やベテランの方であれば、「できること」を優先したほうが好条件の転職ができるかもしれません。
「やりたいこと」も「できること」もどちらも自分自身の可能性を表しています。
でも、必ずしも一致するわけではないことを冷静にとらえて、その可能性をどのように生かすかをじっくりと考えることが重要です。
転職の動機の理解
「自己分析」の最後に自分自身の「転職の動機」について考えてみましょう。
「なぜ転職を希望するのか?」という質問は、面接で必ず聞かれますので、その回答を用意しておくことも大切です。
でもそれ以上に、「自己分析」の最後に「本当に転職すべきかどうか」を冷静に問いかけることが大切です。
これまでのプロセスによって自分自身を明確かつ客観的にとらえることができるようになっているはずです。
そこで改めて「自分はなぜ転職するのだろうか?」ということを問いかけてみましょう。
衝動的な転職は成功確率が低いと言われています。
だからこそ、ここで一度立ち止まって冷静に判断する必要があります。
転職はキャリアアップの大きなきっかけ、チャンスを与えてもくれますが、それなりにリスクを伴うものでもあります。
自分を試すことができるのも守ることができるのも自分自身だけ。
リスクとリターンをしっかりと天秤にかけて冷静にチャレンジすべきかどうかを判断すべきです。
「自己分析」の最後に「転職の動機」をじっくりと考えるのはとても大切な機会と言えます。
まとめ
以上が本記事でお伝えしたかった内容です。これまでお話ししてきたことをまとめると以下のとおり。
- 転職活動は、「自分という商品を企業に売り込む営業活動」であると同時に「キャリアアップ・能力発揮可能な転職先企業の探索活動」。自分の価値を知り、自分が転職先で活躍できるキャリアを持っているかどうかを確認する「自己分析」は、転職活動の準備段階で最初に行うべき。
- 「自己分析」を行う目的は次の3つ。①「自分の価値」を知ること、②「自分のキャリア」を確認すること、③「転職の動機」を理解すること
- 「自己分析」は次の5つのステップで行うと効果的。①自分の性格、長所・短所の確認、②知識・スキルの棚卸し、③キャリアの棚卸し、④「やりたいこと」と「できること」の確認、⑤転職の動機の理解
この記事が皆さまのお役に立つと嬉しく思います。
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