★30秒でわかる!この記事の内容
- 「メタ認知」とは、少し高めの位置から自分の思考や行動、周りの状況などを客観的に把握すること。メタ認知には知識的側面(メタ認知的知識)と活動的側面(メタ認知的技能)があり、メタ認知的技能にはモニタリングとコントロールがある。
- メタ認知を勉強に活用するにはたった一つのことをすればよい。具体的には「メタ認知ノート」の習慣化。メタ認知ノートがあれば、自分の認知活動を客観視することができて、勉強の効率を高めることができる。
- 「メタ認知ノート」を習慣化すると自分自身を自然と客観視できるようになり、本番の試験でも効果を発揮。
テストの結果が返ってきたときに「あれ?この問題、分かっていたのに間違えちゃった。自分はうっかりミスが多いよな~」と思った経験、ありませんか?
そんなふうに自分を少し高めの位置から客観的にとらえることを「メタ認知」といいます。
でも大抵の場合、「間違っちゃったよ、やれやれ、とほほ」で終わってしまい、「次はうっかりミスをしないように見直そう!」というふうには考えられないもの。
せっかく「メタ認知」できたのなら、次に活かしたいものです。そうすることで勉強の効率はどんどんレベルアップしていくはず。
今回は「メタ認知」を勉強にフル活用する方法をご紹介します。
メタ認知とは?
メタ認知とは、少し高めの位置から思考や行動、周りの状況を客観的に把握すること。
映画やドラマの主人公になっている自分を、画面を通して眺めているようなイメージです。
画面を通して映画やドラマの登場人物をみていると、「そんなときはこうすればいいのに~」とか、「次こそ頑張って!」とか、客観的にとらえることができますが、バーチャルではないリアルな自分のことになると、途端に客観視できなくなってしまうのが人というもの。
メタ認知を理解し、意識して行動することができれば、自分や周りの状況を客観視することにつながり、日々の生活のなかでもより良い選択ができるようになるはずです。
特に勉強を効率的にすすめる手段として「メタ認知」は大きな効果を発揮します。
まずは「メタ認知」について理解するところから始めましょう。
メタ認知
繰り返しになりますが、メタ認知とは、少し高めの位置から思考や行動、周りの状況を客観的に把握すること。
ちなみに、「「メタ」は「高次の」という意味で、「認知」は「モノゴトを知覚したり、判断したり、解釈したり、思考したりするプロセス」です。
メタ認知には知識的側面(メタ認知的知識)と活動的側面(メタ認知的技能)があります。
メタ認知的知識~メタ認知の知識的側面
メタ認知的知識は、「人もしくは自分自身」「課題」「方法」に関して蓄積された知識。
それぞれの知識の具体例を挙げると次のとおりです。
人もしくは自分自身に関する知識
- 人はときどき間違えたり、ミスをしてしまう
- 人は覚えたことを長く記憶に保持することはできない
- 人は一度のたくさんのことを覚えることができない
- 自分自身の特徴として、平均的な人よりもちょっと間違いやミスが多い
- 自分自身の特徴として、平均的な人よりもちょっと記憶力が良い
課題に関する知識
- 単純作業は間違いやミスが起きやすい
- 無意味な数字の組み合わせは覚えにくい
- 難しい論文は読んで理解するのには時間がかかる
方法に関する知識
- 間違いは見直しをすることで正すことができる
- 反復することで記憶に定着させることができる
- イメージしたり、体系化したり、図示したりすると理解しやすく、覚えやすい
メタ認知的技能~メタ認知の活動的側面
メタ認知的技能は、メタ認知的知識に照らして認知活動の状態を評価し、対策を講ずるなどの調整を行う技術で、メタ認知的モニタリングとメタ認知的コントロールに分けられます。
メタ認知的モニタリング
メタ認知的モニタリングは、メタ認知的知識に照らして認知活動の状態を評価すること。
具体例を挙げると次のとおりです。
- 〇〇の科目の点数が伸び悩んでいる
- 〇分以上勉強を続けると集中力が下がる傾向がある
メタ認知的コントロール
メタ認知的コントロールは、モニタリングによって得られた情報をもとに、課題がある場合には対策を講ずるなど認知活動を調整すること。
こちらも具体例を挙げますと次のとおりです。
- 勉強の能率が上がる午前中に集中的に〇〇の科目を学習する
- 〇〇分勉強したら〇分休む勉強サイクルを構築する
メタ認知を勉強に活用するたった一つの方法
これまで見てきてお気づきかと思いますが、「メタ認知」はこれと言って目新しいものでもありません。
そんな当たり前のことばかりで勉強の効率を上げることができるのでしょうか。
実は大事なのはここから先。
冒頭でお話ししたように、人は自分自身をなかなか客観視することができないもの。
「うっかりミスが多い」ことに気づいても、往々にして「間違えないように見直す」ことにはつながりません。
そう、「認知」できても、客観視する「メタ」にならないわけです。
さて、こちらも冒頭でお話ししたことですが、「メタ認知」は映画やドラマの主人公になっている自分を、画面を通して眺めているようなものです。
これと同じことを再現するのに最適なのは、「認知したことを紙に書きだすこと」です。
紙に書きだすことで、あたかも画面を通して眺めるように自分の認知活動を客観視することができるようになります。
できれば「ノート」を1冊用意して、自分自身の認知活動を書き出していきましょう。
名付けて「メタ認知ノート」勉強法。
「メタ認知ノート」には、例えば「メタ認知的知識」は黒ペンで、「メタ認知的モニタリング」は赤ペンで、「メタ認知的コントロール」は青ペンで書いていきましょう。
各項目を色分けしながら書き出していくと、自分の認知活動が明確になり、今後、どのように勉強をすすめていくべきかがはっきりするようになります。
メタ認知を勉強に活用するたった一つの方法は、「メタ認知ノート」を習慣化することです。
試験本番でも役に立つメタ認知
「メタ認知ノート」を習慣化すると、自分自身を自然と客観視できている自分に気づくはずです。
この「メタ認知」、実は試験本番でも高い効果を発揮します。
例えば、見たことのない難しい問題が出て軽くパニックになってしまっても、
- 「人は初めての経験をするとパニックになるもの」
- 「いま自分は分からない問題をみてちょっとパニクっているな」
- 「こういうときは知っている類似問題との関連性を図示すると解法が閃くかもしれない」
- 「100%の正解は出せないかもしれないけど、部分点狙いでやるだけやってみよう」
というふうにメタ認知的知識、メタ認知的モニタリング、メタ認知的コントロールを駆使することで徐々に落ち着きを取り戻すができるようになります。
まとめ
これまでお話ししてきたことをまとめると以下のとおり。
- 「メタ認知」とは、少し高めの位置から自分の思考や行動、周りの状況などを客観的に把握すること。メタ認知には知識的側面(メタ認知的知識)と活動的側面(メタ認知的技能)があり、メタ認知的技能にはモニタリングとコントロールがある。
- メタ認知を勉強に活用するにはたった一つのことをすればよい。具体的には「メタ認知ノート」の習慣化。メタ認知ノートがあれば、自分の認知活動を客観視することができて、勉強の効率を高めることができる。
- 「メタ認知ノート」を習慣化すると自分自身を自然と客観視できるようになり、本番の試験でも効果を発揮。
この記事が皆さまのお役に立つと嬉しく思います。
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