★30秒でわかる!この記事の内容
- 試験に合格するためには程度の差はあれ多くの情報をインプットする必要がある。インプットしたい情報を無規則にただひたすら覚えようとするのは非効率。記憶術や情報整理記憶法を駆使して意識的にインプットを効率化することが重要。インプットした情報はアウトプットしてこそ意味を持つもの。記憶した情報をアウトプットするのにも記憶術や情報整理記憶法が効果を発揮。
- インプットした情報を長期記憶に定着させ忘れにくくする6つの定番記憶術をご紹介。具体的には「場所法」「物語法」「語呂合わせ」「メモリーツリー」「就寝直前30分暗記法」「五感をフル活用記憶法」。
- インプットしたい情報を整理して記憶に残りやすくする15の「情報整理記憶法」をご紹介。具体的には、「関連づける」「置き換える」「分解する」「再構築する」「共通点を見つける」「対立関係を見つける」「因果関係や相関関係を見つける」「規則性を見つける」「流れを見つける」「番号をふったり、色分けしたりする」「図表や絵にする」「セットにする」「優先順位をつける」「軸をつくる」「マインドマップをつくる」。
勉強には「覚える」というインプットの作業が欠かせません。
ちょっとばかり退屈で億劫なこの作業。
「どうしたら効率的に済ませられるんだろう?」とお悩みの方も多いはず。
今回は「効率的なインプット&アウトプットを可能にする記憶術と情報整理記憶法」をご紹介いたします。
インプット&アウトプットに効果的な記憶術と情報整理記憶法
試験に合格するためには程度の差はあれ多くの情報をインプットする必要があります。
でも、インプットしたい情報を無規則にただひたすら覚えようするのは非効率です。
また、インプットした情報も試験本番で得点に結びつけないことには意味がありませんので、アウトプットすることも重要です。
勉強する際には当然努力する必要がありますが、無計画に努力するのではなく、効率的なインプットと確実なアウトプットを意識することが大切です。
そのために効果的なのが「記憶術」と「情報整理記憶法」。
記憶術はインプットした情報を長期記憶に定着させて忘れにくくする方法、情報整理記憶法はインプットしたい情報を整理して記憶に残りやすくする方法です。
記憶術や情報整理記憶法は、記憶した情報を取り出す(アウトプットする)のにも効果を発揮します。
長期記憶への定着を図る6つの「記憶術」
効率的なインプットには、世にいうところの「記憶術」を活用するのがおすすめ。
「記憶術」は、インプットした情報を長期記憶に定着させ忘れにくくする方法です。
ここでは、代表的な6つの定番「記憶術」をご紹介します。
当然のことながら人によって「合う、合わない」がありますので、お好みに応じて自分に合ったものを選んで活用してみましょう。
場所法
「場所法」は、覚えようとしている情報を頭の中に思い描いた「場所」に配置することで情報を覚える記憶術です。
「場所」は自分の家、学校、職場などの実際の場所でもいいし、空想上の建物など架空の場所でも構いません。
例えば、基本情報技術者試験などで出題されるACID特性、「原子性」「一貫性」「独立性」「永続性」の4つの情報を、「古い日本家屋」を使って覚える場合を考えてみましょう。
場所と結びつけることで、玄関に置いたのは「原子性」、囲炉裏に置いたのは「一貫性」、床の間に置いたのは「独立性」、縁側に置いたのは「永続性」というふうに思い出しやすくなる、というわけです。
人間を含むすべての動物にとって、場所の記憶は生き残るために非常に重要です。
自分がいまどこにいて、どこが安全で、どこが危険なのかをしっかりと覚えていないと生き残れない可能性があるからです。
場所の記憶は、海馬にある「場所ニューロン」によって長期記憶に保存されやすくなっていますが、「場所法」はこの性質を利用した記憶術です。
物語法
「物語法」は、覚えようとしている情報を「物語」にして覚える記憶術です。
「物語」はどんなものでも構いません。
適当に自分でつくってしまいましょう。
例えば、ACID特性を覚える場合に次のような感じ。
無機質な情報もこんなふうに物語にして覚えると意外と記憶に残り、思い出しやすくなるものです。
語呂合わせ
「語呂合わせ」は、皆さんにとって最もなじみ深い記憶術だと思いますが、言葉に別の音や意味を重ねることで情報を覚える方法です。
「なくよ(794)うぐいす平安京」とか「いい国(1192)つくろう鎌倉幕府」などが有名ですよね。
年号や記号など覚えにくいものを覚えやすい言葉に置き換えることで記憶に残りやすく、思い出しやすくなるわけです。
メモリーツリー
「メモリーツリー」は、木の幹と枝の関係のように、1つの情報から派生する複数の情報を覚える方法。
受験マンガの金字塔「ドラゴン桜」でも紹介されていた有名な方法です。
「ACID特性」という幹から「原子性」「一貫性」「独立性」「永続性」という枝が生えている木の絵を想像しながら覚えるイメージ。
実際に紙に「メモリーツリー」を描いてみるとより効果的です。
就寝直前30分暗記法
「就寝直前30分暗記法」は、寝る直前の30分間を暗記などの覚える作業にあてる方法です。
脳は寝ている間に記憶を定着させるという特徴を持っていますので、寝る直前に覚えたいことを暗記すればその特徴を最大限に活かすことができるというわけです。
脳科学的にも効果が実証されている記憶術です。
五感フル活用記憶法
「五感フル活用記憶法」は、人間の五感である「視覚」「聴覚」「触覚」「味覚」「嗅覚」を活用して情報を覚える方法です。
もう少し具体的に言えば、「読んで覚える」「聞いて覚える」「声に出して覚える」「書いて覚える」というふうに行動を伴って覚えます。
人間は、情報を得る際にどうしても「視覚」に頼ってしまいがちです。
実際に情報の8割くらいは「視覚」から得ていると言われています。
覚えるときも「読んで覚える」ことが最も多いはず。
でも「視覚」で得られる他の情報も多いことから「読んで覚える」だけではなかなか記憶に定着しません。
「視覚」以外の感覚を使い、例えば「聴覚」を活用して「聞いたり、声に出したりして覚える」、触覚を活用して「書いて覚える」ことで記憶に定着しやすくするわけです。
ほかにも「嗅覚」を活用して「アロマの香りとともに覚える」、「味覚」を活用して、「甘いものを食べながら覚える」などというのも効果があると言われています。
感覚をフルに活用して覚えることで記憶に定着しやすく、思い出しやすくすることができるわけです。
記憶に残りやすくなる15の情報整理術
情報は、それ単独で覚えるよりも、何かと関連づけたり置き換えたりして「整理」すると記憶に残りやすくなるものです。
覚えようとする情報を網の目のようにネットワーク化しておけば、検索しやすくなって、試験中に思い出しやすくなります。
整理して記憶に残りやすくする15の「情報整理記憶法」をご紹介します。
関連づける
一つの情報を覚えるとき、その情報だけで単独で覚えようとするよりも、何かと関連づけるほうが覚えやすくなります。
「場所法」や「物語法」は「関連づける」ことで覚える記憶術です。
置き換える
「語呂合わせ」が良い例ですが、覚えにくい数字の羅列などを別の言葉や音に置き換えることで覚えやすくします。
分解する
例えば、電話番号のような長い桁の数字をそのまま覚えるのは大変ですが、3分割して3桁~4桁くらいにすれば覚えやすくなります。
再構築する
「日本史」と「世界史」を別物ととらえると2科目分の情報量があるように感じますが、日本史の年表と世界史の年表を重ね合わせて再構築すると情報量が少なく感じますし、関連性をみつけることで覚えやすくもなります。
例えば、1600年、日本では「関ケ原の戦い」がありましたが、同じ年にイギリスでは「東インド会社設立」という出来事がありました。年表を重ねて再構築することで2つの情報が記憶に残りやすくなるわけです。
共通点を見つける
情報と情報の共通点を見つけることで覚えやすくなります。
例えば、「関ケ原の戦い」と「東インド会社設立」。いっけん何の関係もない2つの出来事は1600年に起きたという共通点があります。
その共通点に注目して覚えると記憶に残りやすく、思い出しやすくなります。
対立関係を見つける
情報と情報の共通点を見つけることでも覚えやすくすることができます。
英単語が良い例ですが、legal(合法の)を覚えるときについでに反対語であるillegal(非合法の)を覚えておけば、同時に2つのことを覚えることができますし、それぞれの記憶の定着度もあがります。また、一方を忘れても片方を思い出すことができれば、忘れたほうも思い出しやすくなるはずです。
因果関係や相関関係を見つける
覚えたいことを因果関係や相関関係で覚えるのもおすすめ。
因果関係は原因と結果と関係、相関関係は一方が変化するともう一方も変化する関係です。
因果関係を例にすれば、「徳川家康と石田三成の対立」という原因と「関ケ原の戦い」という結果や、「関ケ原の戦いでの勝利」という原因から「徳川家康の征夷大将軍就任」という結果を考えると、個々の出来事も流れとして覚えることができるわけです。
規則性を見つける
先ほど例に挙げた英単語のlegal(合法の)。対義語であるillegal(非合法の)の頭には「il-」がつきますが、英単語の対義語には「dis-」「in-」「il-」「ir-」などがつくという規則性があります。
こういった規則性を見つけると同時に2つ以上のことを覚えることができますし、個々の情報の記憶の定着度もあがります。また、1つを忘れてもどれか別の1つを思い出すことができれば、他のものも思い出しやすくなるはずです。
番号をふったり、色分けしたりする
不規則な情報よりも規則性のある情報のほうが覚えやすいもの。
「動物」と「植物」の名前が無規則にたくさん並んでいたとしたら、そのままの形でひとつひとつを覚えるのは少しばかりやっかいですが、動物には番号、植物には記号をふったり、ラインマーカーで色分けしたりして、視覚的に分けてあげると、覚えやすくなるはずです。
図表や絵にする
言葉では理解しにくいものも図表や絵にすると理解しやすくなりますが、理解できていると記憶に残りやすくなります。つまり、言葉で覚えにくいものでも図表や絵にすることで覚えやすくなるわけです。
セットで覚える
ひとつひとつの情報をバラバラに覚えるよりもセットにしたほうが覚えやすくなります。
英単語を例にすると、「予約」という意味の「reservation」と「booking」。これを別々に覚えるよりもセットにして覚えるほうが効率的ですし、言い換えの問題が出たときにも対処しやすくなります。
優先順位をつける
覚えたい情報に優先順位をつけるのも効果的です。
100個の英単語を漫然と覚えるよりも、試験に頻出の英単語から重点的に覚えていき、徐々に範囲を拡げていくほうが短時間ですべての英単語を覚えることができます。
軸をつくる
複数の情報を覚えるときに共通する「軸」をつくることで覚えやすく、かつ思い出しやすくすることができます。
「メモリーツリー」は「軸をつくる」(幹と枝をつくる)ことで覚える記憶術です。
マインドマップをつくる
マインドマップとは、中心にキーワードを書き、そこから関連するワードを放射状につなげていくことで情報を整理したものです。
頭の中の思考をそのまま描き出して視覚化することで情報を整理したり、新しいアイデアを生み出したりするのに効果的と言われています。
これまでご説明してきた「関連づける」「置き換える」「対立関係を見つける」「因果関係や相関関係を見つける」といったネットワーク化をマインドマップとして紙に描き出すことで記憶に残りやすくすることができるわけです。
まとめ
以上が記事でお伝えしたかった内容です。これまでお話ししてきたことをまとめると以下のとおり。
- 試験に合格するためには程度の差はあれ多くの情報をインプットする必要がある。インプットしたい情報を無規則にただひたすら覚えようとするのは非効率。記憶術や情報整理記憶法を駆使して意識的にインプットを効率化することが重要。インプットした情報はアウトプットしてこそ意味を持つもの。記憶した情報をアウトプットするのにも記憶術や情報整理記憶法が効果を発揮
- インプットした情報を長期記憶に定着させ忘れにくくする6つの定番記憶術をご紹介。具体的には「場所法」「物語法」「語呂合わせ」「メモリーツリー」「就寝直前30分の暗記法」「五感をフル活用記憶法」
- インプットしたい情報を整理して記憶に残りやすくする15の「情報整理記憶法」をご紹介。具体的には、「関連づける」「置き換える」「分解する」「再構築する」「共通点を見つける」「対立関係を見つける」「因果関係や相関関係を見つける」「規則性を見つける」「流れを見つける」「番号をふったり、色分けしたりする」「図表や絵にする」「セットにする」「優先順位をつける」「軸をつくる」「マインドマップをつくる」
この記事が皆さまのお役に立つと嬉しく思います。
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