不動産鑑定士は、独立開業のしやすい資格であり、就職・転職にも極めて有利。いまこそ狙い目の資格であり、かなり「レアでお得な」オススメ資格です。
この記事ではこれまで解説してきた不動産鑑定士の資格概要等についてまとめてみました。
不動産鑑定士はいまこそ狙い目!レアでお得なオススメ資格
不動産鑑定士は、不動産関連資格の最高峰に位置付けられ、弁護士、公認会計士と並ぶ三大国家資格の一つです。
需給バランスのミスマッチによる独立開業のしやすさと収入の安定性があり、資格の希少性から就職・転職に極めて有利、不動産のプロフェッショナルとしての仕事は面白く、そして弁護士、公認会計士と比べると難易度はそこまで高くありません。
不動産鑑定士はいまこそ狙い目の資格であり、かなり「レアでお得な」オススメ資格です
不動産は資産としても面白いため、不動産のスペシャリストである不動産鑑定士の仕事も面白いと言えます。
不動産鑑定評価にとどまることなく不動産にかかわる様々な分野で幅広い活躍が期待されています。
また、不動産鑑定士の収入は安定していると言われています。
その主たる要因は、需給バランスのミスマッチにより競争環境が緩やかなこと、不動産鑑定士の仕事の特色として民間の仕事に加え、地価公示など不況時にも一定量の依頼がある公的な仕事が比較的大きな割合を占めていることなどです。
不動産の鑑定評価とは
不動産には次の特性があります。
- 土地の特性と対応関係にある条件を前提とした利用形態と有用性がある。また、前提が変われば利用形態や有用性も変わる。
- 不動産は周りの似たような不動産と一緒になって地域を構成して、その地域の影響を受ける。
- 一つ一つの不動産で構成される地域もまた固有の性格を有する。
不動産の価格は、基本的には需要と供給のバランスや、一つ一つの取引で決められますが、不動産の特性によって他のモノとは少し違った形で形成されるため、本当に適正なものかどうかが分かりにくいものです。
不動産の鑑定評価とは、不動産鑑定士が、評価対象となる不動産に対して、経済環境、不動産市況、所在する地域の状況、その不動産固有の状況等の分析を加えつつ、経済原理に基づく価格形成メカニズムを当てはめて理論上の価格を算出する行為であり、特殊な事情がなければおそらくこれくらいになるだろうという値段を出すことです。
不動産鑑定士とは
不動産鑑定士は、不動産の鑑定評価を行うための法律上の資格を有する国家資格者。
その主たる業務は不動産の経済価値を評価する鑑定評価です。
不動産鑑定士は、不動産関連資格の最高峰に位置づけられ、不動産鑑定士になるための国家資格試験は超難関。弁護士、公認会計士とならぶ三大国家資格のひとつです。
不動産はひとつひとつが異なり、ひとつとして同じもののない資産。
また、私たちにとって大切な生活基盤であり、多くの企業にとって重要な事業基盤であり経営資源です。
その経済的価値を評価するのには不動産に関する高度かつ総合的な専門的知見と経済、金融、会計、税務、法律など幅広い知識が必要です。
不動産鑑定士は、不動産に関する高度かつ総合的な専門知識を有するプロフェッショナルとして業界の垣根を越えて多方面で活躍することが可能と言えます。
不動産鑑定士になるには
不動産鑑定士になるための要件は次の通りです。
- 国家資格試験である不動産鑑定士試験の合格
- 実務修習の修了
- 国土交通省に備える不動産鑑定士名簿への登録
まずは、不動産鑑定士試験に合格することが先決です。
不動産鑑定士試験は、短答式試験と論文式試験の2段階で実施されます。
試験に合格したら、講義、基本演習、実施演習の3単元から構成される「実務修習」を受け、修了考査に合格することが必要です。
国土交通省に備える不動産鑑定士名簿への登録を受けたら、晴れて不動産鑑定士になることができます。
不動産鑑定士の仕事
不動産鑑定士は、不動産のプロフェッショナルとして幅広い分野で活躍可能な資格。不動産鑑定士の仕事は、基本的には不動産の価値を評価する「鑑定評価」ですが、「鑑定評価以外」の仕事に従事する方々も数多く存在します。
不動産鑑定士が鑑定評価に携わるには、①不動産鑑定事務所に就職するか、②不動産鑑定事務所を新たに設立して独立開業するかの2つのパターンがある
鑑定評価の仕事の流れは次のとおりです。
- 依頼者からの依頼の受付
- 評価作業準備
- 調査(役所・法務局調査、現地調査)
- 鑑定評価書作成
- 鑑定評価書の納品。
不動産鑑定士は、不動産のプロフェッショナルとして幅広い分野で活躍可能な資格であり「鑑定評価以外」の仕事に従事する方々も数多く存在します。
例えば、不動産業界における主要なプレイヤーである次のような職種でも不動産鑑定士は活躍しています。
- デベロッパー
- アセットオーナー
- エクイティ投資家
- レンダー
- アセットマネジャー
- プロパティマネジャー
- アレンジャー
- カストディアン
- ブローカー
これらの不動産プレイヤーはいずれも専門性の高いプロフェッショナルです。
不動産鑑定士が持っている高度かつ総合的な専門知識を活かすことができる職種と言えます。
不動産鑑定士の資格を取得すると得られる7つのメリット
不動産鑑定士の資格を取得すると得られるメリットは次のとおりです。
- メリットその1:ステータス・信用力が高い
- メリットその2:独立開業が可能
- メリットその3:収入の高さ・安定性
- メリットその4:就職や転職、再就職に有利
- メリットその5:やりがいのある仕事
- メリットその6:一生有効な資格で生涯現役
- メリットその7:日常生活でも案外役立つ不動産の専門知識
不動産鑑定士はこんな人におすすめ
不動産鑑定士は「フィールドワークが好きな人」におすすめ。
不動産の実地調査は不動産鑑定士の重要な仕事の一つです。
不動産鑑定士は「誠実で使命感を持った仕事をしたい人」におすすめ。
鑑定評価の仕事は社会的公共的意義が大きく、不動産鑑定士は誠実であること、使命感を持っていることが求められます。
不動産鑑定士は「モノゴトを論理的に考えることが好きな人」におすすめ。
経済動向、市場環境、地域・不動産の状況などを分析し、その分析結果を踏まえて理論上の価格を導き出すためには論理的な思考力が必要です。
不動産鑑定士とのダブルライセンスが有効な9つの資格
複数の資格を取得するダブルライセンスは組み合わせによっては極めて有効で、就職や収入アップにも効果的です
不動産鑑定士は、単独でも十分に希少性が高く、安定収入を得られやすい資格ですが、多くの資格試験と試験範囲が類似しており、かつ、実務的にも相性が良く、相乗効果の高い資格が多いという特徴があります。
具体的には次のとおりです。
<不動産関連>
- 一級建築士
- 宅地建物取引士
- マンション管理士
- 管理業務主任者
- 賃貸不動産経営管理士
- 土地家屋調査士
<法務関連>
- 司法書士
- 行政書士
<実務関連>
- 税理士
不動産鑑定士と宅建士との共通点と相違点
不動産鑑定士と宅建士は、いずれも不動産の専門資格であり共通点も多いですが、資格の印象や人気の高さ、仕事内容、試験の難易度など相違点も多いです。
不動産鑑定士と宅建士はともに国家資格ですが、不動産鑑定士は希少性の高い資格、宅建士は超人気資格という違いがあります。
不動産鑑定士と宅建士はともに就職・転職に有利で、幅広い業界で活躍可能な資格であることから平均年収は一般の会社員を上回りますが、独立開業のしやすさ、独占業務、主たる顧客と顧客基盤が異なります。
不動産鑑定士試験と宅建試験はともに国家試験ですが、不動産鑑定士のほうが難易度高く、宅建士のほうが受験者数・合格者数が圧倒的に多いという特徴があります。
不動産鑑定士が宅建士とのダブルライセンスで得られる5つのメリット
不動産鑑定士と宅建士は、いずれも不動産の専門家だけあって両資格の相性は抜群によく、ダブルライセンスによる学習面・実務上の相乗効果が高いと言えます
不動産鑑定士の資格を取得したら、宅建士の資格も取得してダブルライセンスを目指すのがおすすめ。宅建士とのダブルライセンスには5つのメリットがあります。
具体的には、学習面でのアドバンテージが1つ、実務上のメリットが4つです。
- 宅建試験の勉強で得た知識を不動産鑑定士試験の勉強に活かせる
- ダブルライセンスにより就職・転職が有利になる
- 鑑定評価に実務を反映することで説得力を与えられる
- 仕事の幅が広がる
- 顧客基盤・経営基盤が安定する
超難関の不動産鑑定士試験を突破したら、宅建試験はそこまで難しくないはず、得られるメリットが大きいだけに不動産鑑定士には是非とも宅建士取得に向けてチャレンジしてもらいたい資格です。
不動産鑑定士の年収
不動産鑑定士の平均年収は755万円(厚生労働省の賃金構造基本統計調査(2019年))。
給与所得者の平均年収436万円(国税庁の民間給与実態調査(2019年))と比べて高い収入を得ていることが分かります。
不動産鑑定士の平均年収の過去10年間の推移をみると566万円~803万円の範囲で推移しています。
3年に一度高くなる傾向があるのは、3年に一度実施される固定資産税評価の報酬によるものと推察されます
サンプル数の多い2016年の賃金構造基本統計調査を分析して得た不動産鑑定士の年収の傾向は次のとおりです
- 平均年収は年齢に比例
- 平均年収は経験年数に比例
- 平均年収の性別格差あり。
以上、これまでご紹介してきた不動産鑑定士の資格概要でした。
本記事が不動産鑑定士を目指す皆さまに少しでもお役に立つとうれしく思います。
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