不動産鑑定士の仕事その1~「鑑定評価」に携わる方法・仕事の流れ~

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不動産鑑定士について
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★30秒でわかる!この記事の内容

  • 不動産鑑定士は、不動産のプロフェッショナルとして幅広い分野で活躍可能な資格。不動産鑑定士の仕事は、基本的には不動産の価値を評価する「鑑定評価」だが、「鑑定評価以外」の仕事に従事する方々も数多く存在。今回は「鑑定評価」にスポットを当ててご紹介
  • 不動産鑑定士が鑑定評価に携わるには、①不動産鑑定事務所に就職するか、②不動産鑑定事務所を新たに設立して独立開業するかの2つのパターンがある
  • 鑑定評価の仕事の流れは次のとおり。①依頼者からの依頼の受付、②評価作業準備、③調査(役所・法務局調査、現地調査)、④鑑定評価書作成、⑤鑑定評価書の納品

不動産鑑定士を目指すとして、やはり知っておきたいのは具体的な仕事内容。

不動産鑑定士ってどんな仕事をしているのでしょうか。

この記事では、不動産鑑定士の主な仕事である鑑定評価にスポットを当てて、できるだけ詳しく解説させていただきます。

鑑定評価は不動産鑑定士の仕事の基本~

不動産鑑定士は、不動産に関する高度かつ総合的な専門知識を持つプロフェッショナルとして業界の垣根を越えた幅広い分野で活躍することが可能です。

不動産鑑定士の仕事は、基本的には不動産の価値を評価する「鑑定評価」ですが、「鑑定評価以外」の仕事に従事する方々も数多く存在しています。

例えば大手総合不動産会社で大規模開発に携わったり、J-REIT(上場不動産投資信託)の運用会社でアクイジション(取得)やディスポジション(売却)、アセットマネジメント(運用)に携わったり、銀行で貸付業務に携わったり、生命保険会社や損害保険会社などの機関投資家で不動産投資に携わったり、実にさまざまな仕事に従事しています。

不動産鑑定士の資格保有者は全国に約9,500人と言われていますが、そのうち鑑定評価に携わっているのが約4,700人、鑑定評価以外に携わっているのが4,800人。だいたい半々くらいの割合になっています。

不動産鑑定士の仕事のうち、今回は「鑑定評価」にスポットを当ててご紹介いたします。

鑑定評価に携わる方法~不動産鑑定事務所に就職or独立開業~

不動産鑑定士が鑑定評価に携わるには、①不動産鑑定事務所に就職するか、②不動産鑑定事務所を新たに設立して独立開業するかの2つのパターンがあります。

不動産鑑定事務所に就職

不動産鑑定事務所は、不動産鑑定を専門的に行っている機関です。

「不動産の鑑定評価に関する法律」における正式名称は「不動産鑑定業者」といいます。

不動産鑑定事務所は、知事または国土交通大臣への登録を受けなければならず、少なくとも1名以上の不動産鑑定士を雇用する必要があります。

全国には約3,200の不動産鑑定事務所があります。

その規模は100名を超える大手事務所から個人で開業する事務所まで大小さまざま。

不動産鑑定士が鑑定評価に携わるには、不動産鑑定事務所に就職するのが最もオーソドックスなパターンです。

特に資格を取得したばかりの頃は実務経験がないため、まずは既存の不動産鑑定事務所に就職して、先輩鑑定士から指導を受けながら実務経験を積むことはとても貴重な機会と言えます。

不動産鑑定士の資格を取得するための「実務修習」において、1年コースもしくは2年コース「実地演習」を受ける必要がありますが、この「実地演習」は、実地演習実施機関である不動産鑑定事務所や大学で物件調査を行ったり鑑定評価報告書を作成したりする演習です。

実態としては不動産鑑定士試験合格後、資格を取得するまえに不動産鑑定事務所に就職して「実地演習」を受ける、というケースもありえるわけです。

不動産鑑定事務所を独立開業

不動産鑑定士が鑑定評価に携わるには、自分で不動産鑑定事務所を設立して独立開業するというパターンもあります。

既存の不動産鑑定事務所で一定期間、実務経験を積んだのちに独立開業するのはステップアップの代表的なモデルの一例と言えます。

一人で独立開業した場合は、鑑定評価だけでなく、事務所の経営から事務仕事全般に至るまですべてを自分一人でこなす必要がありますので大変かもしれませんが、仕事をしたらした分だけそのまま収入につながるというメリットがあり、自分の能力次第で事務所の規模を大きくすることも夢ではありません。

独立開業には当然リスクがありますが、比較的競争の緩やかな業界ですのでチャレンジしてみても面白いかもしれません。

鑑定評価の仕事の流れ

次は不動産鑑定評価の仕事内容を具体的にみてみましょう。

鑑定評価の一般的な流れは次のとおりです。

  • 依頼者からの依頼の受付
  • 評価作業準備
  • 調査(役所・法務局調査、現地調査)
  • 鑑定評価書作成
  • 鑑定評価書の納品。

依頼者からの依頼の受付

鑑定評価は依頼者からの依頼に基づき鑑定評価書を提出することで報酬を得る仕事です。依頼者から依頼の受付をすることから仕事が始まります。

依頼者からの話をしっかりと聞き、評価対象や依頼目的、納期など基本的なことを正確に確認する重要なプロセスです。

評価準備

鑑定評価は期日のある仕事ですので計画的に進める必要があります。

スケジュールを組み、資料を集め、対象不動産や役所、法務局の場所など事前に確認すべきことを整理しておくことでその後の調査や評価作業をスムーズに進めることができます。

調査(現地調査、役所・法務局調査)

不動産の価値を評価するためには対象不動産の物的な状況や権利関係等を正確に把握しなければなりません。

また、法的な規制によって価値が変わってきますのでどのような公法上の規制があるかなども確認する必要があります。

現地に赴き、実際に目で見て確認することはもちろんのこと、役所や法務局で状況を確認し、必要な資料を入手する重要なプロセスと言えます。

鑑定評価書作成

鑑定評価書は対象不動産の鑑定評価額を記載した成果物になります。

鑑定評価額だけでなく、調査結果や分析結果、鑑定評価額算出プロセスや判断根拠等を記載する必要があります。

鑑定評価書の納品

鑑定評価書が完成したら、依頼者に納品して業務完了です。

まとめ

以上が本記事でお伝えしたかった内容です。これまでお話ししてきたことをまとめると以下のとおり。

  • 不動産鑑定士は、不動産のプロフェッショナルとして幅広い分野で活躍可能な資格。不動産鑑定士の仕事は、基本的には不動産の価値を評価する「鑑定評価」だが、「鑑定評価以外」の仕事に従事する方々も数多く存在。今回は「鑑定評価」にスポットを当ててご紹介
  • 不動産鑑定士が鑑定評価に携わるには、①不動産鑑定事務所に就職するか、②不動産鑑定事務所を新たに設立して独立開業するかの2つのパターンがある
  • 鑑定評価の仕事の流れは次のとおり。①依頼者からの依頼の受付、②評価作業準備、③調査(役所・法務局調査、現地調査)、④鑑定評価書作成、⑤鑑定評価書の納品

この記事が皆さまのお役に立つと嬉しく思います。

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