- 「やりたいこと」が決まったらまず最初に取り組んでおきたいのは目標を設定すること。目標設定は「やりたいこと」を実現するための近道。「設定した目標を紙に書いて毎日読み上げる」だけでも実現の可能性が高まる。
- 目標はどのように設定するべきか。目標設定にはいくつもの方法(メソッド)があるが、代表的なのは「SMARTの法則」。SMARTの法則は、目標を、具体的(S)、計測可能(M)、達成可能(A)、関連性がある(R)、期限付き(T)に設定する方法。
- やりたいことの実現に向けて努力を継続するためには、目標を短期・中期・長期など段階的に設定し、段階に応じて目標の達成状況をチェックするとより効果的。また、目標は時間の経過に従って劣化してしまう。設定した目標を定期的に見直し、時には変更することも重要。大切なのはやりたいことを実現すること。
「やりたいこと」が見つかったら、まず最初に取り組んでおきたいのは目標を設定することです。
目標設定はやりたいことを実現するための近道。「設定した目標を紙に書いて毎日読み上げる」だけでも実現の可能性が高まります。
では、目標はどのように設定したらよいか。
ということで、本記事の主題は「目標設定の方法」です。
目標設定の重要性
目標設定の方法の前に、そもそもなぜ目標設定が重要なのでしょうか。
目標設定はやりたいことを実現するための近道
やりたいことを「目的(実現したい事柄)」とするのなら、目標は「目的を実現するために目指すべき具体的な水準」です。
例をあげれば、
目的 ⇒ 「世界で活躍するITエンジニアになること!」
目標 ⇒ 「半年後に実施される「基本情報技術者試験」に一発合格する!」
⇒ 「大学を卒業したらIT企業に就職し、3年間必死に働いて実績を積む!」
みたいな感じです。
「基本情報技術者試験」に合格するのはITエンジニアになるための実現手段の一つ。
その目標を達成することで、やりたいことに一歩、着実に近づきます。
やみくもにITエンジニアを目指すよりも、まずは資格を取得し、その資格を売りにしてIT企業に就職する道のほうが具体的だし現実的です。
目標設定はやりたいことを実現するための近道と言えます。
目標設定の重要性
目標設定の重要性は脳科学的にも心理学的にも確認されています。
「やりたいこと」=「目的」するためにはアンテナを高くしてそれに関連する多くの情報を集める必要があります。
皆さまにも、自分の気になっていることは街中を何気なく歩いているときでも意識を引き付けられるという経験があると思います。
就職活動をしているとリクルートスーツを着た同世代の人を目にする機会が増えたり、子どもができるとベビーカーを押すママの姿がやたらと目に付いたり(RAS効果)。
また、自分の好きな人はどんなに遠くにいても視界にとらえることができたり、自分の気になっている話題はどんなにザワザワしたところでも聞き耳をたてらてたり(カクテルパーティー効果)。
目標についても同様です。
目標を設定し意識することによって目標に関する情報をキャッチする感度が増すという効果があります。
感度が増せばより多くの情報を集めることができるようになり、多くの情報を集めることができれば知識が増え、「やりたいこと」=「目的」の実現に向けた道筋が見えてきます。
目標設定はやりたいことを実現するためにとても重要な作業と言えます。
目標を紙に書いて毎日読み上げるだけでも効果的
よく言われることですが、目標は紙に書いて毎日読み上げるだけでも効果的です。
RAS効果やカクテルパーティー効果は、何かを意識することで情報をキャッチする効果ですが、裏を返せば意識しなければ情報をキャッチすることができません。
普段の生活のなかにはたくさんの情報があふれていて、私たちの頭は無意識のなかで流れてくる情報を一つ一つ処理しています。
多くの情報に晒されているうちに重要なことさえも、ついつい意識の外に置かれてしまいます。
そんなときに重要な情報である「目標」を紙に書いておけば、常に意識下に戻すことができます。
毎日、声に出して読み上げると「なお良し」です。
すぐにでも始められるとても簡単な習慣ですので是非やってみてください。
目標設定の方法(メソッド)
さて、いよいよ目標設定の方法(メソッド)をご説明します。
目標設定の方法(KGI・KPI、OKR)
目標設定は会社のマネジメント手法などにも取り入れられていますので、とても多くの方法があります。
例えば、KGI(重要目標達成指標、Key Goal Indicator)とKPI(重要業績評価指標、Key Performance Indicator)。
KGIは最終目標が達成されているかを測定する指標、KPIは目標達成の度合いを計測するための定量的な指標です。KGIを最終的な結果とするなら、KPIは過程であり中間指標に位置づけられます。
あとは、OKR(目標と主要な結果、Objectives and Key Results)。
目標を成果指標に分解して進捗管理する手法で、GoogleやIntelと言った企業が採用しています。
目標設定の方法~SMARTの法則~
続いて、KGI、KPI、OKRなどに取り入れられている代表的な目標設定手法、「SMARTの法則」を詳しく説明します。
SMARTの法則は、目標を、具体的(S)、計測可能(M)、達成可能(A)、関連性がある(R)、期限付き(T)に設定する方法で、SMARTはその頭文字をとったものです。
- Specific(具体的な)
- Measurable(測定可能な)
- Achivable(達成可能な)
- Relevant(関連性がある)、Result-Based(成果に基づく)、Realistic(現実的な)
- Time-bound(期限がある)
この5つの因子を意識することでより効果的な目標を設定することができます。
Specific(具体的な)
目標は具体的であるほど効果的です。
曖昧な目標ではなく、明確で分かりやすい目標を設定しましょう。
Measurable(測定可能な)
目標を設定したら、達成できたのか、できなかったのかを測定する必要があります。
後ほどご説明しますが目標設定と同じくらい進捗管理は重要です。測定可能な目標を設定するよう心がけましょう。
Achivable(達成可能な)
目標は頑張れば達成できるくらいがちょうどいい按配。
すぐに達成できるような簡単なものや、ほぼ達成不可能なものだとあまり意味がありません。
達成可能な水準を意識して目標を設定しましょう。
Relevant(関連性がある)、Result-Based(成果に基づく)
自分の仕事や夢と関連性のある目標のほうがモチベーションを維持しやすくなります。
また、目標達成が自分の成果に基づく目標のほうが当事者意識を持ち続けられます。
自分の仕事や夢が目標とどういう関連性があるか、目標が自分のどのような成果に基づくものかを考えながら目標を設定しましょう。
Time-bound(期限がある)
目標をいつまでに達成するのか、期限を設けることはとても大切です。
目標は期限付きで設定しましょう。
目標設定のコツ
目標設定には例えば以下のような、いくつかのコツがあります。
- 目標を短期・中期・長期などのように段階的に設定する
- 「自分」を主語にする
- 「~しない」という否定的な表現を避け、「~する!」という肯定的表現にする
- できるだけ達成した状況を具体的にイメージしながら設定する
- 障害となりそうな事象を想定しておく
そのなかで特にオススメしたいのは段階的な目標設定です。
短期・中期・長期の段階的目標設定と進捗管理
やりたいことの実現に向けて努力を継続するためには、目標を短期・中期・長期など段階的に設定し、段階に応じて目標の達成状況をチェックするとより効果的です。
段階的な目標設定
「世界で活躍するITエンジニアになること!」を目的とするのであれば、
- 短期目標 ⇒ 「半年後に実施される「基本情報技術者試験」に一発合格する!」
- 中期目標 ⇒ 「大学を卒業したらIT企業に就職し、3年間必死に働いて実績を積む!」
- 長期目標 ⇒ 「10年後に一流のITエンジニアになり、フリーランスとして独立する!」
といったような感じです。
段階的な目標を設定する効果は以下のとおり。
- 短期的な目標を設定することで、モチベーションと集中力を維持しやすくなる
- 中長期的な目標を設定することで、最終的な「目的」を意識し続けることができる
- 途中経過が分かることで、計画的な実行と実績の検証も容易
長期的な視点だけで目標を設定してもモチベーションを維持し続けられませんし、短期的な視点だけで目標を設定しても自分が「やりたいこと」との関連性がぼやけてしまう可能性があります。
マラソンに例えると、10kmごとに目標タイムを定めて走るようなイメージです。
中間ラップの目標タイムがあれば、ペース配分も意識することができますし、これまでの道のりを順調に走ってこられたのかどうかも確認することができます。
段階的な目標を設定を設定すれば、モチベーションと集中力を維持しながら、計画的に実行することができますし、途中経過が分かれば実績の検証も容易です。
進捗管理の重要性
目標を設定したら終わりではありません。
やっとスタートラインに立ったところで、これから目標に向けて行動を起こす必要があります。
行動を起こしたら進捗状況を管理する必要があります。進捗管理は目標設定と同じくらい重要です。
PDCAサイクルを意識しながらしっかりとした進捗管理を心がけましょう。
目標達成に向けた道のりのどのくらいの位置にいるのか、もし遅れているのであれば原因は何か、課題解決に向けた方策としてどのようなものが考えられるか、定期的に確認することが大切です。
進捗管理も目標と同じように紙に書き出して「見える化」すると効果的です。
SMARTの法則などに基づいた目標が設定できていれば、進捗管理もしやすくなるはずです。
目標の定期的な見直し
目標は「ナマ物」。時間の経過に従って劣化してしまいます。
進捗状況によっては期限の見直しも必要ですし、知識が増えればより最適なルートが見つかることもあります。場合によっては「やりたいこと」だって変わるかもしれません。
設定した目標を定期的に見直し、時には変更することも重要です。
できれば1年サイクルくらいで目標を棚卸しして状況にあった目標を設定し直しましょう。
最後に、これを言ったら身も蓋もありませんが、目標にこだわりすぎる必要はありません。
確かに目標は大切ですが、他にも「家庭」だとか「友人」だとか「健康」だとか、同じくらい大切なことがたくさんあります。
「目標」のために犠牲にするものが大きすぎると、最終的に「やりたいこと」が実現できなくなる可能性もあります。
大切なのは自分の「やりたいこと」を実現すること。気楽に、自分のペースで頑張りましょう!。
まとめ
以上が本記事でお伝えしたかったことです。これまでお話ししてきたことをまとめると以下のとおり。
- 「やりたいこと」が決まったらまず最初に取り組んでおきたいのは目標を設定すること。目標設定は「やりたいこと」を実現するための近道。「設定した目標を紙に書いて毎日読み上げる」だけでも実現の可能性が高まる。
- 目標はどのように設定するべきか。目標設定にはいくつもの方法(メソッド)があるが、代表的なのは「SMARTの法則」。SMARTの法則は、目標を、具体的(S)、計測可能(M)、達成可能(A)、関連性がある(R)、期限付き(T)に設定する方法。
- やりたいことの実現に向けて努力を継続するためには、目標を短期・中期・長期など段階的に設定し、段階に応じて目標の達成状況をチェックするとより効果的。また、目標は時間の経過に従って劣化してしまう。設定した目標を定期的に見直し、時には変更することも重要。大切なのはやりたいことを実現すること。
この記事が皆さまのお役に立つと嬉しく思います。
コメント